あらすじ
おねしょをしてしまった「ぼく」。
お母さんは、こんなに大きいのにおねしょをする子はほかにはいないという。
本当かな……。
不安になったぼくは、こう言ったんだ。
おねしょをしちゃうこ、この指とまれって……。
おねしょしちゃうこ、この指とまれ
「おねしょ」を扱った絵本なのだが、読んでいるうちになにがなんだかわからなくなってくる絵本。
おねしょをしてしまった、主人公の「ぼく」。
おねしょした布団を見て、三人のお友達が塀の上から笑っている。
母親は、こんなに大きくなっておねしょしている子はいない、という。
この言葉にショックを受けたぼくは、自分一人だけなのかどうかを確かめるため、「おねしょをしちゃうこ… このゆび とーまれ」と指を立てた。
すると、ネズミがやってきて止まった。
ネズミもおねしょをしてしまうのだ。
ちょっと元気を取り戻したぼくは、さらにこの指止まれをする。
すると次々おねしょしてしまう子が出てきて指に止まって……。
なーんだみんなしてるじゃないか、ハハハと愉快になってくるぼく。
ついにはこの指とまれをすると、いろんな動物がドドド…と押し寄せてきて、えらい騒ぎに。ついには歌も歌い出す。
もはや、なんのこっちゃわからない展開になってきて呆然である。
そして、ハッと気づくと、そこは布団の中。
ぼくはあわてて布団を確かめたけど、そこにはおねしょのあとはなかったのだ!
……え?
つまり、最初から夢だったってこと……??
おねしょをしているということの心細さを吹き飛ばしてくれるような内容だが、後半の盛り上がりはなぜか謎のパワーに満ちている。ぽかんとして、それから苦笑してしまうような謎のパワーだ。
不安から、みんなおねしょしているんだという安心感が、逆におねしょをしなくなるという結果を呼び寄せてくれたのかもしれない……と考えると、腑に落ち……るかな……。
荒唐無稽な後半の展開
荒唐無稽な後半も、年齢が低めの子はすんなりと受けて例くれるかもしれない。
幼児向け。