あらすじ
かえるくんがやってきます。
かえるくんがやってきました。
かえるくんは、話しかけてきます。
そう、この本を呼んでいるあなたに、です。
かえるくんがいうことには、かえるくんは有名らしいです。喧嘩も強いそうです。
それから、かえるくんは……。
かえるくんがやってきて
かえるくんがやってきて、読者に話しかけてくる。
プロローグでは、「かえるくんがやってきますよ きをつけて…」とある。
気をつけて、とは不穏である。
このかえるくん、とんでもないかえるくんなのだろうか。
すごく口が悪いとか。
そんな思いをよそに、かえるくんがやってきた。
話しかけてくる。
軽く挨拶、そして自分のことを「有名なかえるくんだぞ」と言う。
自分で自分のことを「有名」というやつにはろくな奴はいないというが……さて。
かえるくんはなおも話しかけてくる。
これは、読者とかえるくんの対話の本なのだ。
おもしろい。
かえるくんの性格も憎めないところがあっておもしろい。
最終的に彼は、手品を見せてくれたり、変なものを見せてくれたりするのだが、その際の、読者を煙に巻くようなとぼけた展開がおもしろい。すごく五味氏ワールドだと思う。
ユニークである。
面白味もある。見てて楽しい。
自分で言って自分でツッコミをいれているかえるくん、実はおもしろいユーモアセンスの持ち主ではないか。
読者と本を結ぶような構成
この本が話しかけてくるのは読者に大してである。
本と読者の疑似的コミュニケーションだ。
それがまたユーモアたっぷりな展開を見せるのだから楽しい。
幼児向け。
読み聞かせは盛り上がりそうだ。