絵本の森

『ケーキ やけました』──シンプルに、おいしそう

概要

おいしそうなケーキが次々と現れる。
繊細な色使いで描かれたケーキには思わず涎がでてきそう。

さあ、ケーキ、召し上がれ!

 

おいしそうすぎるケーキの数々!

これが木版画とは……。
何ともおいしそうなケーキのオンパレードである。
写真よりあたたかで、おいしそうに見えるからすごいし、すばらしい。

トップバッターはチーズケーキだ。
しっとりとした生地が伝わってくるかのようなチーズケーキの絵。
切り分けて食べるときの、あの三角のチーズケーキ。
フォークでひと思いに削って、一口食べてしまいたい。

その次はバウムクーヘン。
繊細な年輪の様子がいかにもおいしそうに描かれている。
バウムクーヘンを食べたときの記憶がよみがえってくる。
口の中に入れたときの、年輪ごとのかすかな歯ごたえすらよみがえってくるようである。

アップルパイ。
皮のつやつやしたところ、見ているだけで涎がでてくる。
一口食べれば、あのパイ生地の食感……。

カステラ。
あの表面の濃い茶色。きっとざらめは多めに、生地はしっとりしているのだろう。
一口食べれば、口の中でほろほろと崩れていくに違いない。

 

最後にでてきたのは……パンケーキ!
トッピングも乗せて、……豪快にいただきまーす!!

 

最初から最後まで、おいしそうの展覧会。
深みのある色が、ケーキのおいしさを頭の中で再生してくれるようだ。

 

本文はシンプル

本文はいたってシンプルで、できあがったケーキを切り分けて、食べる、の繰り返しである。
絵の方もシンプル。ケーキそのものしか描かれない。絵を見て楽しむタイプの絵本だ。物語性はあまりない。
幼児向けだが、おとなの女性も好みそうな、おいしそうなケーキの画集である。