あらすじ
デイビッドのママはいつもこう言います。
だめよ、デイビッド!って。
でもそんなことでは止まらない、デイビッドのやんちゃぶり。
あんまりやりすぎちゃうと……。
やんちゃの限りをこなすデイビッド
タイトルのとおりに、「だめよ、デイビッド!」と言いたくなる絵本である。
デイビッドという少年が主人公なのだが、また彼は本当に年相応にやんちゃくれというか、元気いっぱいなのである。
家の中でどんちゃん騒ぎはするし、すっぽんぽんで外にでていこうとするし、ベッドで飛び跳ねるわ、どろだらけの格好で家に入るわ、もう見ていると毎回、「だめよ、デイビッド!」と言いたくなる。
話はシンプルで、デイビッド少年がやんちゃし続けることで話は進んでいく。ストーリーはなく、とにかくデイビッドがあれこれやんちゃしまくるのである。
この本の最初に、こう書かれている。
デイビッドの ママは いつも いう・・・
だめよ、デイビッド!って
本当にそう言いたくなるのもわかるってな具合である。
注意しても注意が足りるということがないぐらいに、デイビッドは元気なのである。
そんな感じでなにをしても注意されまくるデイビッドだが、悪いことをしようと思ってしているわけではないのだ。
現に、部屋の中で野球をしようとして、注意されているのにも関わらず実行した結果、花瓶を割ってしまい、しょんぼりするデイビッドを見ることができる。
そう、これをやったらこうなるだろうなあ、という先の見通しができない年齢なのだろう。
しかし、絵本は、デイビッドが注意されまくって終わるようなものではなく、最後は暖かな気持ちになる終わり方をする。
花瓶を割ったデイビッドを、優しく抱きしめるのである。
日常ではついつい注意せざるを得ないけれど、デイビッドは愛されているのである。それがひしひしと伝わってくるような心温まる終わり方がいい。
これは、怒ったあとのフォローも大切だよ、という思いがこめられているのかもしれない。
注意されてばかりじゃ、デイビッドもひねくれてしまうだろう。
だから、最後は、あなたを大切に思っているのよという気持ちを表現することが大切なのではないか。
抱きしめられて安らかな顔のデイビッドを見ているとそう感じて仕方ない。
いろんなやんちゃをするデイビッド
いろんなやんちゃを重ねるデイビッドに、読んだ子は自分を重ねるかもしれない。
文章より絵による情報が多いので、低学年にもなれば、一人読みもたやすいだろう。
どちらかというと、幼児向け。