あらすじ
大きなトラックと小さなトラックが走っていきます。
あっ、小さななトラックが大きなトラックを追い抜いて、先頭を走り始めましたよ。
この先、坂道があったり、トンネルがあったりするけど、気をつけて。
かわいすぎるトラック
こんなにかわいいトラックを見たことがない。
相変わらず、五味氏の描く世界は、優しくてかわいらしくて、空とぼけてておもしろい。
今回は、「かわいい」部分が突出した絵本のように思う。
大きいトラックの後ろに、小さいトラックをつれて走る。
すると、小さいトラックは、大きいトラックを追い抜いた。
本文に添えられる「気をつけて」が何とも優しい響きだ。
どんどん走る、小さなトラック。
後からくる大きなトラックは、その小さなトラックを見守っているかのようだ。
ぐんぐん走るよ小さなトラック……でも坂道にさしかかり……だんだん……スピードが……落ちてきて……。
大きなトラックが後ろから押してあげて、はいこれで大丈夫! 現実では接触事故だが、そんな無愛想な細かいことはどうでもいいのである。
再び、どんどん先頭を行く小さなトラック。トンネルに突入だ!
…………
…………
あれっ、小さなトラックは? 姿が見えないぞ?
どこ行ったの?
トンネルから出てくると……あらあら。
大きなトラックの荷台にのって一休み……。なんとまあ、かわいいトラック!
気をつけてのタイトルはあまり関係ないような……
最初のほうは「気をつけて」と本文にも現れるのだが、最後のほうはあまり関係なくなってくる。
かわいいトラックが見所。話の展開はさほど大きくないのだが、心が和む一冊であった。
幼児向け。