あらすじ
かご屋で働くしんたとちょうたは、夜、かごを担いで仕事に行きます。
黒ずきんの怪しい男が声をかけてきました。
男はなにやら、大きな荷物をかごにのせ、出発するように命じてきました。
言われるまま、かごに荷物をのせて走るしんたとちょうた。
たどり着いたのは、空き屋敷。
誰もいないはずなのに、怪しい男は屋敷に入っていきました。
残されたしんたとちょうた、そして大きな荷物。
大きな荷物から、うめき声が聞こえてきて……。
時代劇風絵本
時代劇好きな子は好きになりそうな絵本だ。
舞台は江戸。本文は書き文字でかかれており、話し言葉は江戸っ子そのもの。
これだけで世界観は構築されているようなものである。
かご屋で働く、しんたとちょうた。
夜もかごを担いで働く。
声をかけてきたのは黒ずきんの謎の男。格好で身分ある身とうかがえるが……。
男がしんたとちょうたに任せたのは、なぜの大きな荷物。
大きな荷物をかつぎ、男の言うままにかごを走らせていたしんたとちょうた。
止まったのは大きな空き屋敷だ。
しんたとちょうたを残し、黒ずきんの男は空き屋敷に入っていく。誰も住んでいないはずなのになぜ……?
荷物からうめき声が聞こえ、しんたとちょうたは怪しんで荷物を解いた。すると中から出てきたのは!
猿ぐつわをかまされた、きれいなお姫様!
これは大きな事件に巻き込まれたぜ、としんたとちょうた。
逃れる暇なく、巻き込まれていく……。
……とまあ、時代劇の王道を行くお話展開である。
ただわかりづらいのは、場面転換が多く、一方そのころでは……というページが多いこと。あと、しゃべり言葉に括弧がないため、非常に読みづらい。誰がしゃべっているのかパッとわからない箇所もある。
絵は勢いがあって、迫力満点。
最後はハッピーエンドで終わる。読後感はすっきりである。
時代劇に興味がある子なら楽しめるだろう。
個性的な絵でつづられる時代劇風物語
時代劇風のお話が展開されるのだが、わりと難しい言葉が出てくる。一人読みはつらいかもしれない。
低学年からが対象。
読み聞かせは江戸っ子らしく粋にキメたい。下読み必須。