絵本の森

『ねこふんじゃった』──踏まれたねこはどこへ行く

あらすじ

ねこをふんじゃった。
するとひっかいてきた。

怒ったら、ねこは甘えてきた。
ごめんねおどかして、というと……。

 

ねこふんじゃった……

「ねこふんじゃった」という歌がある。
あの歌の歌詞を聞いたとき、最初に思ったのは、ねこかわいそう……だった。

この絵本は、そんな「ねこふんじゃった」の歌を元にして作られたもののようだ。

踏まれたねこは引っかく。当然である。
するとこの絵本では、なぜか、

わるい ねこめ
つめを きれ
やねを おりて
ひげを それ

と怒りモードである。
踏まれて痛かったのになぜ怒られるのか。
理不尽である……。

そしてねこは甘えモードで相手の気を逸らし、人間も謝ってかつぶしやるからとよっといでといいながら、またふんづけるのである。ひでえ。

ふんづけられたねこは、空に飛んでいく。

 

……いきなりのトンデモ展開に目が白黒する。

 

お空に飛んでいったねこは雲の上。これ考察的に死んだとかじゃないよね……?
雲の上に飛んでいったねこに、人間は話しかける。

ねこ グッバイバイ
ねこ グッバイバイ
ねこ あしたの あさ
おりといで

明日の朝までグッバイなのか……。
そもそも人間がふんづけたせいで、空まですっ飛んでいったのではなかったか……。
そう思うと、何とも複雑な思いのする一冊である……。

 

本文はほとんど詩に近い

本文は少な目、詩に近く、幼児向けだろう。
奇想天外な展開をする。