あらすじ
しまりすのクレが新しいすみかの近くを歩いていると、偶然、迷子の子リス五匹と出会います。
おなかが空いて困っている迷子の子リスたちをほっておけないクレは、自分のすみかに子リスたちを呼んであげました。
そして、食べ物を探しに行くクレでしたが……。
クレのひみつのポッケとは……
一人で暮らすことになったリスのクレ。
早速すみかを見つける。
そのクレが近くを歩いていると、迷子になった五匹の子リスを見つける。
「ぼくたち おうちが わからなく なっちゃって、
それに おなかも ぺこぺこなの」
困っている子リスたちをほっておけなかったのだろう、クレは自分のすみかに迷子の子リスたちを案内する。
おなかが空いているとのことだったので、食べ物を探しに出るクレ。
五匹も迷子になっていて、保護者は探しに出ていないのだろうか……。
まあ、おなかを満たすことが先決ともいえるけど、クレがだいぶお人好しである。
きつねがぶどうを持って、森のみんなに声をかけている。
新入りのクレはもらえるだろうかと不安になりながらきつねのもとに行くが、わりとすんなりとぶどうをわけてもらえる。
この絵本でのきつねはとてもいいやつのようである。
三つ目のぶどうを手に持ちきれなくなったクレ。
ここで必殺の頬袋の活躍である。
手に持った二つのぶどうを頬袋に押し込む!
そして三つ目のぶどうをきつねからもらうのだが、きつねはクレが何も持っていないのに気づいて、三つも同時にぶどうをもらってしまう。
いやいやすでに二つもらっていますよと言いかけるのだが、頬袋のぶどうがじゃましてはっきり言えず、もごもご……。
クレ、もらった五つのぶどうをすべて必殺頬袋に収納!
すごい、こんなに入るのか、頬袋……。
ハムスターもリスも飼ったことがないので、ただただすごいの一言である。
それを怪しいと見ていたきつね。
クレがかけだしたのを追っていく。
そりゃあ、頬袋ぱんぱんでクレの人相変わってるし、怪しいの何者でもないだろう……。
迷子の待つ自分のすみかに帰ってきたクレ。
頬袋のぶどうを全部出すと、ちょうど迷子のぶんがあった。しかし自分のぶんがない……。
そこへころころと転がってきたぶどう一粒……。
そう、外で見ていたきつねが一粒、転がしてよこしてくれたのである。
きつね、いいやつすぎる……!
「きょうは ぐっすり ねむって、
あした みんなの おうち、さがしに いこうね」
クレもいいやつすぎるが、それにしてもいっぺんに五匹もいなくなったら、保護者は心配して探し回っていると思うのだが……結構広い森なのだろうか。……というか迷子の子リスたちにあんまり悲壮感がないのが気になる。
迷子のおうちが見つかるといいね、クレ……。
かわいらしいお話
森のかわいらしいお話である。
クレの頬袋がぷっくり膨れるところなどかわいい場面もある。
リスやハムスターを飼っている子は興味を引かれるだろう。
幼児、低学年向け。