あらすじ
まんまる、さんかく、しかく、せん、てん。
そりらを主人公にした、ちょっと不思議な短編集。
なんともいえないシュールさをまとったものから、どこかほっとする終わり方をするもののから。
ちょっと不思議な世界をのぞいてみませんか。
まるで……てんで……わからない……?
つかみどころのない短編がいくつか収録された本。
主人公たちはまんまるだったり四角だったり、三角だったり、点だったりで、とても抽象的な物語のようにも見える。その内容も、抽象的に感じるものが多く、「楽しかった」「笑えた」という感想は出てきづらいものがある。
私も一読したが、ちょっと抽象的すぎて、小首を傾げてしまった。考察好きの方には、楽しめる一冊だとは思うが、対象としている年齢層にどう映るのかは興味はある。絵本で出ているが、短編集か何かで出した方がよかったと思われる。
まんまる二人は、自分たちはまんまるだから天才と笑いながら坂を転がっていき、それを見ていた塀はもう戻ってこれないのにという話などはなんだかバッドエンドのような気もするし、点たちの話もお葬式のときはみんな整列して線になるという話もなんだか何が言いたいのかちょっとよくわからないシュールさを感じさせるし、三角と四角の話も、三角が丸になったかと思うとまた三角に戻ったという唐突な展開についていけない。
考察していけばおもしろい側面が出てくるとは思うのだが、抽象的なパーツが多すぎて私は断念してしまった。
考察抜きでいえば、まんまる二人の話がシュールで好きだ。傲慢なあのふたつのまんまるは、話のあと、坂をのぼれないことに気づいて、どうするのだろう。そう考えるとちょっとおもしろい。
絵本にしてはページ数が多いこの作品、多感なころに読むと違う感想が出てきそうではある。
タイトルだけで笑い話かと思ったら、ぜんぜん違った一例であった。
ページ数が多く
ページ数の多い、短編集絵本。
抽象的な話を繰り広げる。
字が小さい。
すべての話を読み終えるのに多少時間がかかるので、読み聞かせには向かないだろう。
低学年からが対象だろう。