あらすじ
幼稚園の行事で、いもほりにきたしろうくん。
しかししろうくんはいもほりに興味がなく、みんながいもほりしている間、昼寝をしようとします。
先生がやってきて、ずっと座っているとお尻から寝っこが生えるわよ、と言われて……。
幼稚園でいもほりに行ったけれど……
幼稚園で芋掘りに出かけたしろうくん。
みんな楽しみにしていた芋掘りだったけれど、しろうくんだけは違った。へっ芋掘りなんてやってられっかと言うように、一人だけみんなと離れて昼寝に。
なんだか妙にすれている幼稚園児である……。
先生が芋掘りをしないかと誘っても、しろうくんは応じない。
そんなにずっと座っていると、お尻から根っこが生えてくるわよ、と言われたしろうくん。ちょっとビビったのか、しろうくんはあわてて嘘をついた。
「ぼく、いもほり してるんだよ。
おしりの ねっこが つちのなかの いもを さがしてるんだ」
んなむちゃな。
しかし先生はじゃあがんばっていもを探してね、と去っていく。
やったぞこれで昼寝タイムだ、と昼寝を始めるしろうくん。
しかし、昼寝の間に、異変は起きていたのだ……。
しろうくんのお尻から、本当に根っこが生え、いもを探して地中をさまよいはじめたのだ……!
根っこは、もぐら幼稚園のいもがりを察知し、後をつける。
もぐらたちが地中のいもを見つける中、根っこはちゃっかりでかいいもを見つけていた。
そのでかいいもを持っていこうとするところを、もぐらたちに気づかれ、いもの取り合いが始まる。
必死にいもを引っ張っていくしろうくんの根っこ。
根っこは、急いでしろうくんのお尻に引っ込んだ。
お尻に引っ込んだ……
そのへん出し入れ可能なのか……。
どすん、という感触に目を覚ましたしろうくん。
お尻の下には、大きないも。
根っこはいもを死守したらしい……。
みんなにあわてて知らせにいくしろうくん。
ズボンのお尻のところが破れている。しかし、そんなことはかまってられない。でっかいいもがとれたのだから!
しかし、その間にも、追いかけてきたもぐらたちが、大きないもを持って行ってしまったため、しろうくんの「大きないもがとれた」という話は誰も信じてくれない。
……まあ、昼寝していた間にがんばっていたのは根っこだし、しろうくんはぜんぜんがんばっていないから、信じてもらえなくて残念だね、としか……。
嘘をついて昼寝をしていたしろうくん。
それでいて大きないもをとれたとなったらずっこいどころの話ではないので、このオチでよかったのかもしれない。
でも、ズボンのお尻にあいた大きな穴。
あれは、どう説明をつけたんだろう?
主人公はしろうくんというより、ねっこのような……
文章の量はそこそこ。
幼児向けだろう。
いもほりの季節に読みたい。