あらすじ
りょうたの家には蔵がある。
もう古くなってしまった蔵は取り壊すことになってしまった。
蔵を気に入っていたりょうた。
落ち込むりょうたに、蔵が心配して話しかけてくる。
取り壊しの話をすると、蔵は、もうぼろぼろだから仕方ない、と受け入れたのだが……。
ものの大切さを教えてくれる絵本。
蔵が教えてくれた、ものを大切にすることの大事さ
りょうたの家には、古い蔵がある。
古くなったので、取り壊すことになった蔵。りょうたは、蔵が気に入っていたので取り壊しがいやだった。
蔵の中で嘆いていると、蔵が口を利いた。
どうして嘆いているのかと尋ねられ、取り壊しを伝えると、蔵は、自分はもうぼろぼろのじいさん蔵だから取り壊しも仕方ない、とあきらめた様子。
そのとき、現れたのは、蔵におかれていた古道具たち。
自分たちは捨てられてしまうのかと嘆く古道具に、りょうたは、「がらくたがしゃべった!」と驚く。
蔵がしゃべったのには驚かないのに、なんで古道具がしゃべったことにおどろくのだ、りょうた少年よ……。
がらくた呼ばわりされて、怒った……
……のは、なぜか蔵。
この古道具たちはまだまだ働けるのだと訴える。
そして、蔵は、なんと、
タイムスリップして、江戸の町へ移動する。
いきなりスケールがでかくなった……。
江戸の町で、古道具たちは修理されて再び使えるようになり、江戸の人たちにもらわれていった。
修理されてピカピカになった道具たち。
その姿を見ていると、ものを大切にすることの大事さが伝わってくると同時に、わざわざ江戸時代にタイムスリップしなければ、古道具たちは使われない、という現実がそこにあった。
修理するより、新しいものを買うほうがやすくつくからだ。ただ単に、現代では使わない道具も含まれていたのかもしれないが……。
何ともいえない気持ちになるが、本の中の古道具たちはもらわれていってとてもうれしそうだ。これからも使われていくだろう。
古くなったら
なおされて
こわれちゃっても
なおされて
うまれかわるよ
いのちはめぐるよ
ぐるぐるぐるぐる
ぐーるぐる
もらわれていった古道具たちを見送り、蔵は最後の力を振り絞って現代にタイムスリップ。
もう蔵はぼろぼろだった。
これでは……本当に取り壊されてしまう。
しかし、そうはならなかった。
取り壊しはやめて、修理することになったのだ。
そこに、りょうたの声があったのは間違いない。
大切にものを扱うことの大事さを伝える絵本
ものを大切に扱うことの大切さを説いた絵本。
幼児、低学年向け。