あらすじ
車庫に入ったおばあさんが、風呂敷をかぶって風呂敷電車に大変身。
風呂敷電車が駅につくと、降りてきたお客さんは、みんな満足そうな顔をしている。
なんでも、畳の部屋にすてきな庭、大きなお風呂があるとのこと。
ハルタ少年は、その場所に行ってみたいと思い、風呂敷電車に乗り込んだが、そんな場所はどこにも見つからない。
いったい、そんな場所はどこにあるのだろう……?
不思議な風呂敷電車
ふしぎな風呂敷……というか、なんだろう、ふしぎな列車というか……
とにかく、「風呂敷」+「列車」というわけわからん組み合わせで描かれた不思議な絵本。
風呂敷をひらひらさせて、電車の車庫に入っていくおばあさん。
おばあさんが車庫で、
「きょうもがんばんべー
しゅっぽっぽー」
……と言って、唐草模様の風呂敷をかぶると……
あら不思議……
おばあさんは ふろしきでんしゃに だいへんしん。
ど、どういうこと!!!?
車輪の代わりに足が生えた、ふろしきでんしゃ。
おばあさんの顔が天井からにょっきり生えている。
めちゃくちゃシュールな図である。
おばあちゃんが変身するところを見てしまったハルタくんは、「あの電車に乗ってみたい」と思い、ホームに走る。
ホームに止まった風呂敷電車から、獅子舞をしているおじさんたちが降りてきた。し、獅子舞……。唐草模様の風呂敷つながりなのだろうか……。
おじさんたちは、満足そうに言う。
「あー、たのしかった。
ふろしきでんしゃは
まほうのでんしゃ。
たたみのおへやに すてきなおにわ。
おおきなおふろもあって さいこう」
どんな電車なんだ……。
読者と同じように、興味を持ったハルタ少年。
電車に乗り込み、畳の部屋やすてきな庭、大きなお風呂を探すが見つからない。
しかし、駅につくたびに降りていくお客さんは、みんな、満足そうに畳のお部屋にすてきな庭、大きなお風呂の感想を述べていく。
だけど、ハルタ少年だけはその場所に行けない。
どういうことなのかわからない。
電車にただ乗るだけではだめなのだろうか……??
タヌキの親子が乗り込もうとした瞬間に、ハルタ少年は親子にくっついて電車に乗る。
すると……唐草模様に吸い込まれていくではないか!
しかし、ハルタ少年だけは、違う道に入ってしまい、唐草の草原にたどり着いてしまう。
そこには、大きなお風呂もすてきな庭もない。
あわや、というところでハルタ少年は、猫の車掌に助けられたのであった。
そして、少年は、また今度、絶対に大きなお風呂とすてきな庭に行ってみせると誓った……。
……という話なのだが、謎の設定が多すぎて、意味が分からなくなってくる。
なぜ、ハルタ少年が風呂敷電車に乗ったときは、大きなお風呂とすてきな庭にたどり着けなかったのか。そもそも、電車の中にそんな場所があったのか?
おばあちゃんはなぜ、不思議な風呂敷で電車になっているのか?
最後に風呂敷の唐草模様に吸い込まれていったが、その条件はなんだったのか?
おもしろみのある謎さだとおもしろいのだが、謎な部分が多すぎるために話の筋がよくわからなくなってくる。
これは、奇想天外な話の展開を楽しむ絵本だろう。
奇想天外な話の展開
なぜなのかと考えはじめるとドツボにはまる。ただ奇想天外な展開を楽しもう。
幼児、低学年向け。