言葉あそび、ことわざと
言葉あそびの絵本である。
味のある絵でつづられる、ことわざをもじったネタの数々。
なるほどねー、となったり、うーむこれは無理がある……となったり、ワハハこれはおもしろいとなったり、楽しませてもらった。
たとえば、「ねこに小判」が「ねこにごめん」となったり、「タネ食うリスもドキドキ」は、「たで食う虫も好きずき」になるのである。
物語性は全くないが、そのぶん、どのページから見ても支障がないという魅力がある。
しかし、残念ながら、ことわざを知っている子でないと、まったく楽しめない内容だろう。読み聞かせにもあまり向いておらず、一人で読んでウフフと楽しむ絵本だと思う。
ちゃんと元ネタを書いてくれているので親切
ちゃんと元になったことわざを書いてくれているので、頭の中に?がいっぱいになることはない。
ただ、かなり著者のセンスによるところの多いネタが多いため、合わない人は「なんだこりゃ」となってしまう可能性もある。
話は徹頭徹尾、ことわざのもじりネタを通している。いっそすがすがしいまでの徹底ぶりだ。笑いをねらっているのかわからないままに、淡々とページが進んでいく印象すらあるが、絵は味があり、勢いがある。
好みの分かれる絵本だろう。
ことわざ好きな低学年向け。