絵本の森

『ちいさなワニのおうさま』──絵を描き始めていたのに、いつの間にか……

あらすじ

女の子は、ワニの子をモデルにして、絵を描こうとする。
しかし、じっとしていられないワニの子。
仕方ないので、女の子はワニの子にも紙を渡し、お絵かきするように言うが……

独特なテンションで進んでいく、女の子とワニの子のやりとりを描いた絵本。

 

絵を描こうと思ったけど、モデルのワニが動くので……

一ページに四コママンガのように四つの絵を描いていくという変わったスタイルの絵本。
ほぼ会話だけで話が進んでいく。

ワニの絵を描こうとする女の子だが、モデルのワニはじっとしていられない。あれこれ遊ぶものだから、女の子の絵はなかなか進まない。
女の子とワニのやりとりがほほえましい一冊だ。

だんだん、絵を描くということから離れていき、お風呂に入ったり花を摘み始めたりする二人。
結局、女の子の絵は完成しないし、当初の目的と離れたところに物語が着地するのだが、だいたいのところ、この年頃の子はこんな感じなのかもしれない。

そのため、話がとびとびになっているというか、一貫性がないふうに感じられるため、物語に入り込んで楽しむということが難しい。
オチらしいオチもないのが特徴でもある。

 

独特の構成なので

すべてのページが四コママンガのような構成をしているため、読み聞かせにはあまり向いていない。
話は会話だけで進む。
幼児、低学年向け。