絵本の森

『えんぴつくん』──世界を描いたえんぴつ、消しゴムを描いたことで……

あらすじ

あるところにえんぴつがいた。
えんぴつは男の子を書き、犬を書き、ネコを書き……
世界を描いていった。

途中で色を塗るための絵の具の筆を書き、世界は色づいた。

だが描いた世界の住人から、修正依頼が相次いだので、えんぴつは消しゴムを書いた。
しかし、この消しゴム、ちょっとはりきりすぎて……

 

お絵かきの空想を描いた不思議な世界観の話

あるところに転がっていたえんぴつが、起きあがって絵を描き始めた。
男の子を、犬を、ネコを……えんぴつは様々なものを描いた。
次々と広がる絵の世界。想像力たっぷりの絵の世界が広がっていく。

それから、白黒だった世界に、えんぴつが「絵の具の筆」を描くことで、世界に色が付いていく。どんどん世界が色づいていくのが面白い。
えんぴつは、描いた人々や動物、ものにまでねだられて、名前をつけていく。

何とも不思議な世界の話だ。
どんどん広がっていく色鮮やかな世界。しかし、描かれた人物たちが書き直しを要求するにあたって、えんぴつくんは「消しゴム」を書いた。
それが悲劇の始まりだった。

書かれた消しゴムは、えんぴつと絵の具の筆が描いてきた世界を消していってしまう。消しゴムに悪意はなく、はりきっちゃっただけらしいのだが、はりきりすぎである。なんと言っても、えんぴつを残してみーんな消しちゃったのだから。

逃げまどうえんぴつ。
本当にこの消しゴムに悪意がないのか……?
はりきったっていうレベルじゃないけど、これ……。

消しゴムは対抗すべく、再び書いた。そう、消しゴムを。
消しゴムと消しゴムは相打ちになって、消しゴムは消える。
消しゴムとはいったい……。

それからえんぴつは再び、世界を再構築する。
ある意味ファンタジックなハッピーエンドである。
この世界もまた、えんぴつと絵の具の筆が描いた世界かもしれない。

 

次々描かれていく世界に空想しよう

世界を描いていく、という不思議なはじまりをするこの絵本。
文章の量は少な目に抑えられているが、話がやや長め。
読み聞かせするときは時間配分を考えたい。
幼児、低学年向け。