あらすじ
ちくわのわーさんが歩いています。
どうやらどこかに向かっているようです。
途中でいろんな食べ物に出会いながら、わーさんは目的地を目指します。
おもしろおかしい、食べ物の絵本。
ちくわが……。
インパクトがありすぎる。
ツッコミ不在の恐ろしさを思い知った。
表紙も十分インパクトがあるが、話の冒頭から強烈なフックを仕掛けられたかのような気分だ。
ちくわが、道を歩いとる。
どういうことなのか、どういう世界観なのか、まったく説明がない。
青空の下、口笛を吹きながらちくわが歩いているのである。名前は「わーさん」。
ちょっと疲れたので、横になって休む、わーさん。
道ばたにちくわが転がっている図にしか見えないのだが、わーさんは昼寝をしているらしい。
すると、やってきたのは犬。これは昼寝にいい案配だ、とちくわの中に入る犬。
うん?
え、ちくわのサイズはいったい……???
めっちゃこのちくわでかくない!?
そう、わーさん、でかいのである。
おそらく、人間ぐらいのサイズがある。
ど、どういう世界観!?!?
そんなこんなで、昼寝をやめて、また歩き出すわーさん。
そこへやってきたのは、スパゲティーとマカロニの兄弟。
スパゲティーとマカロニが兄弟という設定も斬新ながら、道の向こうからスパゲティーとマカロニが歩いてくるという、絵面のインパクトがすごい。もはやこの絵本にすごいという言葉はありきたりすぎて使うのすらはばかられる。
そしてなぜか、わーさんとスパゲティーとマカロニが踊る。
意味が分からないと思うが、私も意味が分からない。
楽しそうに踊る、スパゲティーとマカロニとちくわ。何の本を読んでいたんだっけ……。
踊るのもそこそこに、用事を思い出したわーさんは、先を急ぐことに。
途中、道ばたを転がって進むドーナツたちを見て、転がって進めれば楽だろうな、などと述懐する。
ころころ転がっていくドーナツの絵もインパクトもすごい。
巻きずしさんのエピソードもぶっ飛び具合がおかしすぎるので一読してほしい。
ツッコミ不在で進んでいくページ。
この世界観、個性的すぎる。
最後に、わーさんは「おでん」になってめでたしめでたし(?)なのだが、それを食べる人間のサイズは(おそらく)ふつうのサイズなので、世界観がますます謎になっていく。
おもしろおかしい、謎の絵本である。
笑えて楽しい。
楽しい気分になれる絵本
独特な世界観だが、見ていて楽しい絵本である。
読み聞かせ映えしそうだ。
幼児、低学年向け。