絵本の森

『しっぽのきらいなネコ』──ある日、しっぽの色が変わってきて……

あらすじ

あるところに、黒猫がいました。黒猫は、自分の体が真っ黒だということを気に入っていました。

しかし、ある日、黒猫のしっぽの先が、黄色くなってきたのです。
そして、あっというまに、黄色に……。

この黄色のしっぽ、黒猫の思うとおりに動いてくれません。
おかげで、いやな思いをする羽目に。
黒猫と黄色いしっぽは、仲が悪くなっていきました。

業を煮やした黒猫は、友達に頼んで、黄色いしっぽを噛んでもらうように頼みましたが……。

 

ある日突然、しっぽが黄色くなった!?

あるところに、真っ黒な黒猫がいた。自分の黒さが気に入っていた猫。
しかし、ある日、自分のしっぽの先が黄色くなってきたことに気が付いた。
あれよあれよという間に、しっぽは黄色に。
何かの病気ではないのかと疑わしくなってくる。しかも、黒猫はしっぽと会話もするのだ。

「おまえなんか きらいだ、きいろの シッポなんて おかしいよ」
くろいネコは きいろいシッポに いいました。
「わたしも くろいネコなんて きらいだわ」
きいろいシッポはこたえました。

それからというもの、きいろいシッポは黒猫の思うとおりに動かず、しっぽはしっぽの好きなようにふるまった。おかげで、餌のネズミはとりはぐれるわ、仲間に挨拶もできないわ、好きな白猫におしっこをかけてしまうわ……さんざんな目に遭う。
体にくっついているものなのに、自我をもった黄色いしっぽ……ある意味こわい。

困った黒猫は、友達に頼んで、しっぽにかみついてもらうことに。
こらしめてやる気持ちが勝ったようだが、よく考えれば、しっぽっていうものは体から生えているもので……。

 

しっぽにかみつかれた黒猫としっぽ、痛さで寝込む羽目に……。

 

……やっぱりそうなるよね……。

痛さがひいたとき、黒猫としっぽは、何となくうまくやっていけるようになった。同じ痛みを感じて寝込みあった仲だ。感じるものができたのかもしれない。

そうして、二人(?)はお互いを認めあい、うまく生きていけるようになったのであった。
これは自分を認めるという物語なのかも。

 

……それで、なんでしっぽが黄色くなってしまったの?

 

文章量はやや少な目

文章量はやや少な目、読みやすい。
幼児、低学年向け。