あらすじ
道ばたでおばちゃんに挨拶された。
思わず挨拶を返したんやけど、あのひといったい誰やったっけ。
どこかで見たことあるねんけどなあ。
どこで見たんやったかな……?
ああー、ここまで出かかってるねんけどなあ……。
誰やったかな……。
誰だっけ?
道ばたで挨拶されたけど、誰だか思い出せない。
ああーここまで出かかってるのになー、誰だったかなー、となることって、人間、一度や二度、体験していると思う。
この作品は、そういう現象を扱った絵本だ。
主人公の男の子は、道ばたでおばさんに挨拶される。
思わず挨拶を返したが、どこの誰だったか思い出せない。
あの人かな? この人かな? と深く深く考え込むのだが、やっぱりどうしても思い出せない。
誰もが体験するあるあるネタでおもしろい。
おもしろい……が、この現象って、子どもにも起こるのだろうか?
おとなになるとよくある現象だが……。
結局、誰だか思い出せなかった主人公。
当初の目的だった、歯医者さんについて初めてわかるのだ。
あのおばさん、○○○○だ、と。
日常によくあることをテーマにしていて、親しめるし笑える。
カラッとした雰囲気が嫌みのない笑いを誘ってくれる絵本だ。
嫌みなく笑える絵本
本文もシンプルに短く、読みやすいが、なぜか全文関西弁である。
この軽妙さは関西弁ならではかもしれない。
幼児、低学年向け。読み聞かせ映えもするだろう。