絵本の森

『おばけやしきなんてこわくない』──怖いものなしだと思われた少年の唯一怖いものとは

あらすじ

サイモン・レスター・シュトラウスは勇敢。
お化け屋敷に怖がったりしません。

友達と一緒に、お化け屋敷に入ったサイモン。
あらゆる怖いものがサイモンたちをおどかしてきますが、サイモンはへっちゃら。ぜんぜん怖がっていません。

だけど、最後、サイモンが唯一、怖いと思うものが現れた……!
その怖いものとは……!?

 

勇敢な少年が唯一怖がったもの、それは

サイモン・レスター・シュトラウスと友達たちが、お化け屋敷と呼ばれる建物に入っていく。

サイモン・レスター・シュトラウス、彼は自分で勇敢だと自己申告しており、その申告通りに、怖がっている友達をよそに、彼だけはさっさとお化け屋敷に入っていく。

ぼくはゆうかんな
サイモン・レスター・シュトラウス。
おばけやしきなんて こわくない

本当に……?と疑いたくなるような自信満々さ。
読み手の疑いをそっちのけに、サイモンはお化け屋敷に入っても、不思議で不気味な現象を目にしても体験しても、ケロッとしている。そればかりか、まぜっかえすようなことを言ったり、あおるようなことを言ったりもする。
サイモン……本当に勇敢なのか……。なんだ……と残念な気持ちになるのはなぜなのか。

お化け屋敷にひそむ怖いものたちは、サイモンたちをさんざんおどかすのだが、サイモンの友達は怖がっているものの、サイモン本人はぜんぜん効き目がない。ここまでくると、読み手もこう思ってくる。どうすればサイモンは怖がるのだろうか、と。このままサイモンはおどろかずにすんでしまうのだろうか……と。

様々な化け物たちが一生懸命に驚かしてくる。
そのレパートリーは様々で、名実ともにお化け屋敷の名前にふさわしい屋敷だ。それなのに、なぜ怖がらない……サイモン……!

そしてぜんぜん怖がらずに屋敷から出てきたサイモンは、自信満々にこう宣言する──

「ゆうかんな サイモン・レスター・シュトラウスとは ぼくのこと。
おばけやしきなんて……」

そこで、宣言は止まる。
出た。
あれが出たのである。
彼の一番、怖いものが!

それは…………

 

 

 

 

ネズミ。

 

お化け屋敷が怖くない、勇敢な少年の話と思いきや

最後のオチのためにあるかのような絵本。
途中のおどろおどろしいお化け屋敷は、サイモンとともに恐ろしさを味わおう。
幼児、低学年向け。
怖さは、それほど怖くない。