あらすじ
初めて「びっくりせん」を走ることになった、電車のまじめさん。
名前の通り、まじめな電車です。
最初の駅で乗り込んできたのは、たぬきの団体さん。
たぬきたちは電車が走り出すと、早速車内で大騒ぎ。
まじめさんが電車を走らせていると、なんと、線路がぐるぐる巻きにされているではありませんか。
岩男の仕業です。
どうしよう……と思う間もなく、たぬきたちは「ぽんぽこーぽん!」と呪文を唱えました。
すると……!
物語が楽しい、おもしろい絵本。
電車のまじめさんがいいキャラクター
今日、初めて「びっくりせん」を走ることになった、まじめな電車のまじめさん。四角い顔と四角い窓がいかにもガチガチにまじめそうでおもしろい。このまじめさん、いい意味でキャラがたってて好感がもてる。
まじめさんが最初の駅につくと、早速、たぬきの団体さんが乗り込んできた。
「びっくりせん」でたぬき……わくわくする組み合わせだ。きっと楽しいことが起きるに違いない。
そんなプロローグで始まる、『たぬきがのったらへんしんでんしゃ』。
おもしろ楽しい一冊だった。
びっくりせんを初めて走る、まじめな電車のまじめさん。
たぬきの団体さんを乗せて走り出すと、早速、たぬきの団体さんは車内でいろんなもの化けては大騒ぎ。お堅いまじめさんは、車内ではお静かに、と注意するも、たぬきたちはそんな注意などどこ吹く風。逆に、まじめさんも何かにばけてみない?などという始末。
しばらく進むと、線路が岩男のせいでぐるぐる巻きに。
どうやって進もう……と悩む間もなく、たぬきたちは……
ぽんぽこー ぽん!
……と呪文を唱えた。
すると、まじめさんは……ジェットコースターになってぐるぐる巻きの線路もビューン!
さすが「びっくりせん」。おもしろいことが起きる!
それからも、次々と難関にぶちあたるまじめさん。
おおだこが線路をブランコにしているかと思えば、線路の上にだいだらぼっちが横になっていたり……と、なかなか一筋縄ではいかない様子。そのたびに、たぬきたちは「ぽんぽこーぽん!」と呪文を唱えて、まじめさんを変身させる。
この展開がおもしろくて、ページもすいすい進んでいく。
「びっくりせん」、楽しいじゃないか。
そして最後は、まじめさんもちょっと打ち解けて、自分からなってみたいものをリクエスト。
なんとそのリクエストは……
ロケット!!!
いやー、最後の最後でスケールのでかいのがきました。
そんなこんなで宇宙まで行っちゃったまじめさん、宇宙で宇宙人に遭遇して、あわてて地球に舞い戻る。
そして目的地へ……。
「びっくりせん」初めて走ったまじめさん、怖かったと感想を漏らしながらもまんざらでもなかったみたいである。
次のお客さんを見るに、またおもしろいことが起きそうだね。
読んで楽しい、お話がおもしろい絵本
話の展開がおもしろくて、目が離せない。次はなにに化けるのかな、と想像する楽しみも味わえる。絵も分かりやすく丁寧で人を選ばない絵柄をしている。
読み聞かせするとうけそうだ。
幼児、低学年向け。