あらすじ
ウサギのホッピーは恐がり。
おばあちゃんは、いろんなものに用心しなさいと教えてくれる。
だけど、臆病で怖がりなせいで、ホッピーにはなかなか友達ができなかった。そればかりか、仲間外れにされることもあった。
ホッピーの遊び相手は、自分より小さいウリ。
ホッピーは寂しい気持ちを抱えていました。
そしてある日、ホッピーのすむ村に、恐ろしいきつねがやってきたのです……!
臆病だったウサギが勇気を出すとき
勇気とは、誰かのためを思って発揮されることこそ美しい。
こわがりで、臆病だったウサギのホッピーが、自分より小さなウサギのウリをきつねから守るため、なりふり構わず戦った。その勇気は、たたえられるのにふさわしい。
ホッピーは恐がりだった。
その恐がりは、生まれつきとはいえないかもしれない。一緒に暮らしていたおばあちゃんが、用心に用心を重ねて、大切に育てすぎたのが原因の一つなのは確かだろう。
おとなは、子どもに用心するように言う。それは大切なことだが、あまりに大切にしすぎて、臆病になってしまったら別の支障がでてきてしまう。
ホッピーの場合は、同じ年頃の子と遊べなくなってしまったという弊害だ。そして勇気を出すということができなくなってしまった。
おばあちゃんがホッピーを大切に育てたいという気持ちはわかる。だがそのために、ホッピーはひとりぼっちだった。遊べる相手は年下のウリだけ……。ホッピー自身も、生きにくさを感じていた。
しかし、ホッピーは、生まれついての臆病者ではなかった。
ホッピーはきつねに襲われたウリを助けた。
これは、ホッピーがうちに秘めた勇気が花開いた瞬間であったろう。自分のためでなく、ウリのために。ホッピーの優しさが見えるようである。
おばあちゃんはホッピーを大切に育てすぎたが、そのおかげで、ホッピーの中に優しさが育っていたのだろう。
その優しさが、勇気と結びついたとき、ホッピーはヒーローになれたのだ。
勇気をたたえられ、メダルをもらうホッピー。
その誇らしい姿を見て、おばあちゃんも、とても用心しなさい、から、ほどほどに用心しなさい、になるかもしれない。
大きめの文字で読みやすく
文章の量もそこそこ、大きめの字で読みやすい。
読み聞かせ用というより、一人読み用だろう。
低学年向け。