あらすじ
ロラの一家は、新しい家に引っ越してきました。
新しい家に慣れないロラは、不安を覚えます。
お母さんにだっこしてもらって少しは不安が和らいだのですが、それでも不安はなくなりません。
ロラはお母さんを驚かせようとして、いたずらをしますが……。
引っ越したばかりの不安からちよっと成長したロラ
新しい家に引っ越してきたハムスターのロラ。
慣れない家に、落ち着かない。どこもかしこも薄気味悪く見える。
自分の部屋に行くのすら、勇気が必要なありさま。
ロラはお母さんに、だっこしてもらう。
そうするとちょっとは気持ちは落ち着いたものの……
「きょうからここが ロラのおうちよ。さあ、ひとりであそんでいらっしゃい。ママはいそがしいからね」
そういってママは行ってしまう。
一人で遊ぶと言ったって、おもちゃもないのに……。
そこで、ロラはお母さんをびっくりさせてやろうといたずらをする。
でもお母さんはびっくりして、それから……
「(前略)いま てがはなせないのがわからないの?」
ママはおこってしまいました。
ロラの気持ちも分からなくもないけど、引っ越しした後の大変さを知っている身としては、お母さんの気持ちもわからなくもない……。
ヒマなら、ロラちゃん、お手伝いをするのは無理なんだろうか……?
パパにだっこして、と言いに行くも、パパも手が放せなくてだっこしてくれない。ロラはやっと自分の部屋に入ると、ようやく一人で段ボールの箱を開けることにした。
段ボールをあけると、ロラはちょっとお姉さんになった気分に。
そしてお父さんとお母さんに向かって、一緒に遊ぼうと誘うも、二人はなんだか元気がない。くたくただから、と遊びの誘いも断られてしまう。
そこでヘソを曲げるかに思えたロラだが……
「わかった! パパとママも、あたらしいおうちでちょっとこわいんだ。それならわたしがなおしてあげる。いい? うごかないで」
そして、お父さんとお母さんをぎゅー。
ロラは二人を抱きしめたのであった。
段ボールを開けられたことでひとつお姉さんになったロラは、お父さんとお母さんのことも考えられるようになったのだ。お母さんにだっこしてもらって元気が出たから、おなじことをしてあげれば元気になると考えたロラがかわいらしいし、いいお姉さんに成長しているなあと感じられる。
ほんの少しのことで、ちょっとだけおとなになれたロラ。
思わず、心があたたかくなる。
両親を抱きしめながら、ロラは言う。
「げんきになれる まほうだよ。どう、きいてきたでしょ?」
ちょっとだけお姉さんぶった口調なのがまたほほえましい。
引っ越しの心細さから、少しだけ成長して、お姉さんになったロラ。
彼女の成長に心温かくなりながらも、「いそがしいから」という理由で子どものことを適当にあしらってはいないかなどとも考えさせられる。忙しくしているとついつい、ロラのお母さんのように、子どもを怒ってしまうものだ。
そんなとき、このタイトルが突き刺さる。『いそがしいっていわないで』。……わかっているけど、難しいんだよなあ。
心に余裕をもって、子どもと接したい、というのはかなりの理想論だろうか。
文章量はふつう
文章の量はふつう。幼児、低学年向け。