あらすじ
小高い丘の上に、二つのお城が建っていました。
一つのお城には、ふとっちょの王様が、もう一つのお城にはほそっちょの王様が住んでいました。
ある日、退屈をしていたふとっちょの王様は、つりに出かけました。
近くの池に行くと、なんとほそっちょの王様も来ているではありませんか。ほそっちょの王様も退屈していたのです。
相手がおなじことを考え、おなじことをしているのに嫌気がさした二人の王様。
それからというもの、相手にいやがらせをするようになりました。しかし、その考えた嫌がらせもおなじ内容で……。
相手も同じだと何となくいやな気分になるものだが……
小高い丘の上に二つのお城が建っていた。
それぞれ住んでいる王様はふとっちょとほそっちょという違いがあるだけで、ほかはほとんど同じだった。召使いの数も、考えることも。
そう、二人の王様は、考えることがまったく同じで、退屈しのぎにつりに行くことも、相手と同じことをしていることでいやな気分になるのも同じだった。
なんでもかんでも同じになってしまう二人の王様。ついにはお互いにいやがらせを始める。全く無意味な争いである……。
ここまでのテンポがとてもよくって、この嫌がらせの応酬はどう決着がつくのか楽しみで、ページをめくる手が止まらなくなる。王様たち、子どもっぽくて親しみがわく。
そして結局どうなったのかというと……
……何も決着がつかずに終わる。
最後には、同じタイミングで王様に子どもが生まれた、ということで終わるのである。歩み寄ることもなければ、王様同士が何かするわけでもない。
正直、肩すかしだ。
おもしろい結末があると予想していただけに残念である。
本文に「めでたしめでたし」とはあるが、確かにまあ、めでたい話でしめていることはしめているが……うーん……。
文章の量はふつう
低学年向け。
文章の量はふつう。