あらすじ
あるスリランカの島にある、小さな村の話です。
このころ、その村には傘がありませんでした。
生まれて初めて町に行った、キリ・ママおじさんは、そこで初めて傘を見ます。
これはすごいと感動したキリ・ママおじさんは、傘を一本、買って帰ることにしました。
そして村に帰りついた頃には、すでに夜。
キリ・ママおじさんは店でコーヒーを一杯飲もうと思い、傘を塀の影に隠して店に入りました。
夜の暗いうちに傘を見せびらかすより、昼間に見せびらかしたほうが、びっくりしてくれる人が多いのではないかと思ったからです。
しかし、キリ・ママおじさんの隠した傘は、何者かに盗られてしまって……。
消えた傘どろぼうは？
あるスリランカの島の小さな村での話。
その村では、まだ傘というものが流通していなかった。
そんな中、キリ・ママおじさんは、生まれて初めて町へ出かけ、傘というものを初めて見た。
カラフルな傘たちに、キリ・ママおじさんは感心するばかり。
キリ・ママおじさんは、傘を買って帰ることにした。傘を選ぶのに時間をかけているキリ・ママおじさん、非常にかわいらしい。ルンルンである。
村に帰ったキリ・ママおじさん。
買った傘を早速みんなに見せて自慢した……のかと思えば違う。
村に着いた頃はすっかり夜になっていたので、明日、明るいときに傘を自慢しようと考えた。キリ・ママおじさん、本当に傘がうれしかったみたいである。かわいい。
キリ・ママおじさん、店に立ち寄るときに、塀の影に傘を隠して店に入った。
すると……
傘がとられちゃった！
ショックを受けたキリ・ママおじさん。
悲しみのあまり、また傘を買いに行く。
そして帰ってきたころには夜になっているので、明日自慢するために塀に隠して、店でちょっと一杯……
そしたら
また傘がとられちゃった！
ショックのキリ・ママおじさん。
また傘を買いにいって、塀の影に隠してちょっと一杯……
そしたら
またまた傘がとられちゃった！！
それでもキリ・ママおじさんはあきらめない。
また町まで行き、傘を買っては、盗られるたびに町まで買いに。
もうここまできたら、意地の問題である。
というか、キリ・ママおじさん、店に立ち寄らなきゃいけない用事がないのなら、寄り道しないで家に帰っていれば、傘を盗られずにすむのでは……？
そんなこんなで、キリ・ママおじさん、傘に細工して、ようやく、傘どろぼうが傘をおいているところにたどり着く。
枝になくした傘がずらりと並んでいる。
絵を見ると、相当な数を盗られたのがわかるのだが、こんなに盗られるまで、同じ行動を繰り返していたキリ・ママおじさんって……。
そうして、いっぱいの傘を取り戻したキリ・ママおじさん。
傘屋さんをはじめて、繁盛したそうな。
……で、傘を盗んだ犯人は誰だったのかって？
それはいたずら好きの○○○さんだったんだって。
……なんかもうちょっと変わった犯人がでてくるかと思ったのに、オチはなんかふつうだった……というところが正直なところである。
個性的な絵柄は魅力的
個性的な絵柄がとても魅力的な一冊。
だが、文章量が多く、低学年からが対象だろう。
話が長いので、読み聞かせは難しそうだ。