絵本の森

『いすにすわってたべなさい。』──一字足すと文章の意味ががらり。国語の勉強にもなるよ

おもしろい言葉遊び絵本

おもしろい。
これは「うーむ」とうなってしまった。

言葉遊びの絵本なのだが、これがなぞなぞのようになっていておもしろい。
例文があって、それに言葉をひとつ足すと意味が変わってしまうという日本語の性質をネタにしている。

たとえば、表題である

いすに すわって たべなさい。

これに一字足すと、意味が変わる。「あ」を足すと、

「あ」いすに すわって たべなさい。

……である。

なんだそれだけのことか、と思うかもしれないが、なかなか難しい問題もあって、頭の体操にちょうどいい。ひょっとしたら、子どもの方がすぐ答えられるかもしれない。

たとえば、

おやつに たいやき たべたいです。

「た」を 足すと、おやつは たべられてしまいました。
こういう ことを 「ともぐい」って いうんですよ。

答えは……

おやつに たいやき たべた たいです。

簡単?
いやいやこれがだんだん難しくなってくるんですよ。

 

内容はすべて、この言葉遊びとなっている。物語性はない。
変化したあとの文章がおもしろくてちょっとふきだすものも。無理矢理な感じのする答えはほとんどなく、スマートだ。

読んでいて、うなったのは数回。
なんだか敗北がすごい……。

 

物語性はないが

物語性はないが、読み聞かせ映えしそうである。
国語の授業を受け始めた低学年向けだろう。
おとなも楽しめる。