あらすじ
主人公の子が、思いつく限りの汚いことをしていくよ。
ほらほら見て、ジャムのビン手を突っ込むのってどう思う?
きたないよね!?
どろんこの上でごろごろねっころがるのは……?
きたないよね!?
きたないよ……!
いやー、これを読んだ人は、本当に、タイトルの『きたないよ!』を口にしてしまうことだろう。
内容はシンプルで、主人公の子が、こんかぎりの汚いことをし、「きたないよ!」とツッコミを入れていくという構成になっている。物語という物語はない。
このツッコミであるところの「きたないよ!」、本当の本当に絶対にツッコミを入れてしまうだろう。
最初は序の口だが、だんだん、汚さのレベルがあがっていき、もうここに書くのもおぞましいことをしでかしてしまう主人公……。
うんこも垢も大活躍である。あ、ほら、うんこと垢の単語だけでおぞましくなってきた。
このおぞましさは多人数で読むと大いに盛り上がるだろう。
一応、本書はその汚いことを推奨しているわけではなく、
(前略)いろいろためすのは いいことだけど
でも ちょっとやってほしくないこともあるとくに ここにかいてある
きたないことなんかはね
……と前書きがある。
一応、汚いことはやめようねというスタンスの絵本なのである。
最後のしめかたもスマートでおもしろい。
そういうわけで読んでいると、ギャーってなるような内容の本なのだけど、ちょっと引っかかるのは、食事を手づかみで食べるのを「汚いこと」として描いていること。文化的に手づかみで食べるところもあるので、一様に汚いと断言できないと思うのだが、どうだろう? ……まあ、主人公の子は、スパゲティを手づかみで「行儀悪く」食べているので、それもひっくるめて汚いよ、という意味かもしれないが。
文章は明快、汚いに阿鼻叫喚
読み聞かせ映えしそうな内容だが、できれば食事の前後には見たくない。幼児、低学年向け。
一人読みも適しているだろう。