あらすじ
近未来。
人間はもう、誰一人として、オバケなんていないと思っていた。
確かに、オバケは絶滅しかかっていた。
奇跡的に一人だけ、子どものオバケが生き残っていたのだ。
彼は仲間を探して、砂漠をさすらっていた。
そこへ、姿を隠して空より現れた異星人。
彼らは残忍な性格をしており、ほかの星の住人を奴隷にしていた。
地球もまた、侵略の候補だったのだ。
異星人たちは、砂漠に一人いるオバケを見て、彼が地球人だと勘違いする。彼を生け捕りにして実験しようと考えた異星人は、オバケに兵器を向ける。
しかし……。
最後の残ったオバケがしてくれたこと
時は近未来。
オバケのことなんか誰一人として信じていない時代に、生き残ったオバケが一人いた。
そのオバケに振り回される、地球を生体実験の場にしようとやってきた異星人たちの姿がコミカルに、ユニークに描かれた作品だ。
オバケは一人、地球に生き残った最後のオバケだった。
もうほかにオバケは生きていない。
しかし、オバケは仲間を探していた。
そこへ、異星人たちがやってくるのだ。
よからぬたくらみをもって。
彼らは残忍で、いろんな星をせめて次々と住人たちを奴隷にしてきた。地球もまた、侵略の候補にあがったのだろう。
地球人とはどんなものかを調べるため、オバケを生け捕りにしようとする異星人。
異星人は砂漠にぽつんと一人いるオバケを、地球人だと勘違いしたのだ。
しかし、オバケは地球人と違って、どんな攻撃も効かない。
最強の武器でオバケをねらうも、彼にはどこ吹く風だ。異星人がきていることすら、彼は知らない。
そんな最強のオバケを前に、異星人たちはとうてい自分たちにはかなわない相手だと判断し、去っていく。
くしくも、地球は危機を免れた、というオチだ。
オバケはもうこの地上にオバケはいない、きっとオバケのみんなはオバケの国にいったのだ、と結論づけて、宇宙の果てに消えていく。
こうして、地球は救われたとともに、地球上からオバケが消えてしまったことになるのだが、何とも切ない余韻が残る。
異星人たちがオバケ一人に戦慄を覚える様は、滑稽でおかしいが、この終わり方はちょっと寂しい気持ちになるのはなぜだろう。
不思議だ。
読んでいると、星新一のショートショートを思い出した。
独特の哀愁とユーモアが少しにているのかもしれない。
絵本だが
絵本だが、文章の量は多め。児童書レベルである。
読むことがメインの絵本だ。
中学年からが対象だろう。
話が長いので、読み聞かせは不向き。
神経質な指摘だとは思うが、放射能が登場するので、気にする方はご留意を。