あらすじ
ある村のはずれに、何でも願い事をかなえてくれるというお地蔵様が建っていた。
村人たちは、そのお地蔵様を拝みながら、一日の仕事に精を出していた。
この年、どの田んぼも大豊作となった。
たわわに実った米を収穫していると、欲張りな庄屋さんは、自分の田んぼにできたものだからすべて自分のものだと持っていってしまう。
西の庄屋さん、東の庄屋さんと庄屋さんは二人いたのだが、この二人、どちらも負けず劣らず欲深であった。
どちらの庄屋さんも、お米を根こそぎ持っていっていった。
お互い、お米を持っていくところを目撃した庄屋さんたち、相手のお米もほしくなってしまう。
そこで、庄屋さんは、お願い事をかなえてくれるお地蔵様に、相手のお米もほしいとお願いするのだが……。
空を飛ぶ米俵、その奇跡の理由とは
欲深な者は、結局最後には何も得られない、という話。
東の庄屋さんと西の庄屋さんはとても欲張り。
村の田んぼが大豊作なのをうけて、庄屋さんたちは、収穫した米を全部持っていってしまった。
「おらの ところの
たんぼで できたもんは
みんな おらのものだ。」
……とのこと。
今年はおなかいっぱいご飯が食べられると喜んでいた村人たちがかわいそうになってくる。
しかしこの庄屋さんたち、相手の庄屋さんも豊作で米俵を自分の倉に運んでいるのを見ると、相手の米もほしくなってしまった。
まったく、人の欲とはきりがないし、考えもつかないものをほしくなってしまったりするからやっかいだ。
はてさて、相手の米俵は、「おれのたんぼでできたものはおれのもの」論が通じない。でも米はほしい……
そこで庄屋さんが思いついたのは、何でも願い事をかなえてくれるというお地蔵様。
そう、村のはずれに建っているお地蔵様、お願い事は何でもかなえてくれるのだという。
その評判を知っていた庄屋さんは、お地蔵様に、相手の庄屋の米もほしいとお願いする。
さすがにそんな、私利私欲にまみれたお願い事を、お地蔵様が聞き入れてくれるはずはない……
……と思ったら、そんなことはなかった。
お地蔵様、庄屋さんのお願いを聞いてしまったのだ。
相手の倉から、米俵が飛び出し、空を飛び、自分の倉へ。
ええええー……
なんて無情な……。
そんなお願い事きくんなら、お米を全部持っていかれた村人に米を分けてあげてよ……。
米俵をとられてしまった庄屋さんは、負けじとお地蔵様にお願いする。
とられた米を取り戻してください……じゃなくて、とられた米を取り戻した上に相手の米俵も全部ほしいとお願い事をしたのだ。
欲深い……。
それからというもの、庄屋さんはとられたら倍以上取り返すといった状態で、毎日村の上を米俵が飛び交うという有様。
奇跡大安売りである。
この間に、村の人たちが、お米を分けてくださいとお願いしたらいいのではないか……と思ったが、敬虔な村人たちはそんなお願いはしないのかもしれない。
そして最後には……
西の庄屋さん、東の庄屋さんは二人同時に、米を全部自分のところにくるようにしてほしいとお地蔵様にお願いしてしまう。
ふわりふわりと空を飛ぶ米俵、ちょうど村の真ん中でぶつかり……
そう、お米の雨が降った!
村の人々は大喜びしたそうな。
めでたしめでたし、とっぴんぱらりのぷう。
結局庄屋さんは全部の米を出してしまうことになったのかしら?
ご愁傷様、である。
昔話風の絵本
昔話風のお話である。
文章の量はそこそこあり、お話を楽しむ絵本。
低学年向け。