なにを飲み込んだか、あててみよう
まず横長のサイズで目を引く。
開いてみると、目立たない色でこう書かれている。
くらやみから へびが あらわれました
そしてにょろりと顔を出したのは黒いへび。
このへびが、いろんな物を飲み込んでいく。
飲み込むときに、理由を添えて書かれているのがおもしろい上、丸飲みするへびのこと、飲み込んだものの形がくっきりと出ている。
当てあいっこできる内容となっている。
へび のみこんだ はらへったから のみこんだ なに のみこんだ?
読み手は、飲み込んだ物の形に盛り上がったへびの体を見て、何を飲み込んだか考える。
そしてページををめくると、まるでエックス線を当てたみたいに、中身が見えるという寸法だ。
最初に飲み込んだのは、りんごとソフトクリームと棒つきキャンディ。
ちなみに、答えは文章では書かれないので、絵を見て判断するしかない。絵は特徴をとらえた画風なので、絵を見ても答えがわからないといったことはない。
結構、難易度があるので見ていておもしろい。
へびはいろいろなものを飲み込む。
その飲み込む理由もさまざまだ。
「うるさいから」
「ともだちほしくて」
「きみがわるくて」
「だいすきだから」……
友達がほしくて友達を飲み込んでしまったら、友達はできないと思うのだが、それでも飲み込んでしまうへびの複雑な心境を考えたりして、本来の筋とはぜんぜん関係ないことを思う。たぶん、よけいなお世話である。
へびは次々、いろんなものを飲み込み、最後には想像を超えた物を飲み込む。それは見てのお楽しみということでここには書かないでおこうと思う。
当てっこが楽しい絵本
当てっこが中心の問いかけ絵本なので、当然物語性はないのだが、読み聞かせ映えするだろう。ただ話がないのでオチもない。読み聞かせの落とし方は考えた方がよさそうだ。
想像力、発想力が試される一冊。
単純な答えはなく、おとなでも初めて読むと、答えを考え込むものもあるだろう。
幼児、低学年向け。