独特の個性あふれる世界観を持った五味氏の幼児向け絵本。
今回も五味氏ワールドが展開されていた。
誰それが○○した。「なんで?」「なんとなく」を繰り返していく絵本。
話らしい話はないが、「なんで?」ときかれて、「なんとなく」と答えるところが空とぼけていておもしろい。まさに、五味太郎氏らしい調子である。
この繰り返しがツボにはいる子どもやおとなはきっといるだろう。
はっきりいうと、本当に上述したフレーズの繰り返しのみなので、ワケワカランとなる子、おとなも多いかと思う。
でも、読んでいるうちに、この「なんとなく」という言葉の不思議な響きと面白味が感じられて……くる……かもしれない。
この妙な味わいが五味氏ワールドの魅力である。
「なんとなく」は「なんとなく」なのだ。
ほかに理由なんてない。漠然としているのを、「なんとなく……」と名付けたのだから、漠然としているのもひっくるめて、「なんとなく」なのだ。便利な言葉だ、「なんとなく」。
しかしまあ、何かやらかした子に対して、どうしてこんなことやったの?と尋ねて、「なんとなく」と返ってきたら、怒りゲージがあがりそうだ。逆に、どうしてこんなことをしたのか、と上司に聞かれて「なんとなく」と答えたら、……想像したくない。
でも、本当に本当の理由は、「なんとなく」なんだから、それ以外、答えようがないようなあ。「なんとなく」なんだもの。
あ、この本を取り上げたのはなんとなくです。はい。