あらすじ
カエルのリリパッドは体が小さくて、ほかのカエルにバカにされがちでした。
でも、彼には夢があったのです。
それは、サー・リリパッドと呼ばれること!
大きくて、勇敢なカエルになりたい。
そう思っていたリリパッドは、絵本で、お姫様にキスしてもらったカエルが大きくなったという情報を得ます。そして、自分もキスしてもらいたいと考え、旅に出ることにしました。そう、悪者に捕まっているお姫様を助けて、キスしてもらうのです。
リリパッドの旅は始まりました。
果たして、彼は、お姫様のキスを得ることができるのでしょうか……。
リリパッドは行く、お姫様を助けに!
小さなカエル、リリパットが英雄になる話。
このリリパット、カエルの中でも小さかったので、ほかのカエルにバカにされがちだった。
リリパットは、大きくなって、サー・リリパットと呼ばれたいと思っていた。
「ぼくは サー・リリパット! カエルのえいゆうだ!
みどりのよろいを みにつけた、ほこりたかく じゆうな カエル。
ドラゴンフライを やっつけた、かしこく ゆうかんな カエル!」
ドラゴンフライをやっつけたなんて、すごい……と一瞬思ったけど、ドラゴンフライって……あれじゃん、日本語でトンボ……。
そんな中、リリパッドは、絵本から、お姫様にキスしてもらうと大きくなれるという情報を得、彼はお姫様にキスしてもらおうと考える。
早速、彼は、とらわれのお姫様を探すことに。
何かが逆転しているような、下心ありありともいうような……。
隠居した鬼に突撃していったり、いくつもの閉ざされた塔を見て回っていったり……リリパッド、かなり本気である。
その旅の果てに、彼はついにお姫様を見つける。なんと、お姫様はドラゴンと一緒にいるではないか!
この絵本の世界では、鬼もドラゴンも魔女も存在するファンタジックな世界のようだ。
早速ドラゴンに挑みかかるリリパッドだったが、ドラゴンとお姫様は友達で、お姫様も自分の身は自分で守れるとのこと……。
がっかりしたリリパッドに、お姫様は、サー・リリパッドの称号を与えてくれる。
そう、彼は長い旅の果てに、サーの称号をもらえるほどに勇敢になっていたのだ。体は小さいままだが、そんなことを気にする必要はない。彼の確かな旅が、彼の勇気を証明してくれる。
そして、彼はお姫様とドラゴンとともに、冒険をするのだ。
そう、これは、カエルの英雄、サー・リリパッドの、英雄になる前の話である。
ファンタジックな世界観なのに、話の規模はわりと小さい
ファンタジックな世界観だが、話自体はあまり大きく展開しない。冒険はしているのだが、かなりはしょられているので、冒険ものではないだろう。
リリパッドの勇ましさはすばらしいのだが、バトルもお宝も出てこない。最終的に体も大きくならないのだが、体が大きくなくたって、勇敢であることは証明できるのだという示唆なのだろう。
低学年向け。