変な動物?
不思議な世界観の絵本だ。
文章量は少なく、物語らしい物語もないのだが、描かれる動物たちがとても不思議なのである。
前ポケットがカートになったカンガルーのお母さん。
鼻の部分がミシンになった仕立屋さんのトナカイさん。
ペリカンのくちばしの袋の部分がフライパンになったペリカンのコックさん。
ぶくぶく泡の体をした羊のお父さん。
長い鼻が掃除機になったゾウのお母さん。
長い口を開けると、ピアノになったワニさん。
なにを書いているのか文章だけではわかりにくいかもしれないが、不思議な動物たちのオンパレードなのである。
それだけでも不思議なのに、ページをめくると「ありゃりゃ」なことが起きる。
買い物をしすぎたお母さんカンガルーは、前ポケットであるカートがいっぱいになって、子どものカンガルーが前カートに入らなくなってしまうとか、鼻掃除機で掃除していたお母さんゾウがくしゃみをしてしまったりとか、「ありゃりゃ」なことが起きる。
本書は不思議な姿をした動物を紹介していくという形をとっており、物語性はほとんどない。一つの動物を紹介したら次、といった感じである。
絵を楽しみ、ありゃりゃな展開を楽しむといった感じの絵本だ。
動物たちの不思議な姿にも魅せられるが、書き込まれた背景も細かくて見応えがある。異国情緒あふれる町並みは、好きな人にはたまらないものだろう。
手堅いタッチで描かれた世界は、一風変わった絵本の世界をかいま見させてくれる。
対象は完全に幼児向け。
読み聞かせ映えもしそうだ。
しかし、鼻の部分がミシンになった仕立屋のトナカイさんの絵面がすごい。ちょっと無理があるのではないかなぁなどと思ったりもする。見方によっては少し怖い。