あらすじ
ぐーたらのネコのねこきちは、顔を洗うのも面倒でいつもごろごろ。
そのせいか、雨がしばらく降っておらず、雨降りを願う声が聞こえて来た。
これはいいことを思いついたぞと、ねこきちは早速、「あめふり うります」と書いた看板を軒先にぶら下げた。
ネコが顔を洗うと雨が降るのである。
面倒くさがりのねこきちでも、顔を洗うだけで商売が出来るのなら、喜んでやるってもんだ。
そこへやってきたお客、願いどおりにねこきちは雨を降らせてやった。
すると、ねこきちの商売は評判になり……。
雨降りを売る、とは……
<ねこが かおを あらうと あめが ふる>
……とは昔から言われていることで、子どもながらに、へえそうなのか、と感心したりもしたこともあったのだけど、今回の絵本は、顔を洗うのすら面倒くさがるぐーたらネコのねこきちが主人公。
そんな わけで、もう ずいぶん ながい あいだ、
この あたりでは あめが ふって おりません。
え?
この絵本の世界では、ネコが顔を洗わないと雨が降らないっていう世界観なの?
ネコ、責任重大じゃん……。
ごろごろぐだぐだやっていたねこきち、ふと、どこからともなく聞こえて来た話し声に、ピクリと耳を尖らせる。
どうやら、雨が降らないせいで、畑も田んぼも干からびてしまって困っているらしい。
もしこれがねこきちの顔を洗わないせいだったら、ねこきち、ひどい奴だけど……。
ねこきちは、「あめふり うります」と書いた看板を下げ、お客を待つ。
いくら ぐうたらな ねこきちでも、
かおを あらうだけで かねもうけが できるなら、
なんどでも ごしごし あらうって ものです。
ねこきちぐうたらな上にがめつい……。
顔を洗えば雨が降ると知ってて商売にするとは……悪徳商人も真っ青である。
そして、実際、ねこきちは顔を洗うだけで、雨を降らせるのである。
ねこきちの商売は大評判。
商売繁盛。
しかしそんな商売にも面倒なことが……
娘の嫁入りの日に、雨を降らせてくれというきつねと、そんなめでたい日に雨なんか降らせるかという狐の間に挟まれて、ねこきちは大困惑。顔を洗ってはやめ、やめては顔を洗い……
そう、<きつねの よめいり>だ。
うまいオチにちょっとフフッとなってしまった。
それでこのお話が終わるかといえば、ところがどっこい、まだ続く。
商売にやる気をなくしたねこきち、
「やめた。やめた。もう やーめた」
……とまあ、みんなが困ることも(たぶん)分かっているのに商売をやめてしまった。
根っからのぐーたらさにまたもや、それでいいんか?と思いながらも、フフッとなってしまう。
最後のオチに、思わずふきだした。
だれのせいでこうなったんだよ! ねこきちのせいだろ!
……と言いたい。
この全然悪びれないねこきちの根性、一周回って好きだなあ。
オチの意味が分からないと面白さが半減かも
「きつねのよめいり」や、「ネコの手も借りたい」など、慣用句の意味がわかっていないと、話の面白さが半減する。
分からなくてもお話全体は楽しめるが、分かっているほうがやはり楽しい。
オチがしっかりある、お話を楽しむ絵本。読み聞かせ映えもしそうだ。
対象は、低学年から。
幼児にはちょっと難しそうだ。