ねむい ねむい……
眠る前に、読みたい絵本。
夜の闇が静かに落ちてくる時間、すべてのものが「ねむい、ねむい」。
お月様も、おうちも眠い。
部屋も眠ければ、テーブルやカーテンも眠い。
文章は、「ねむい ねむい」と繰り返すことで、ゆっくり眠気を呼び起こされるようだ。
ねむい ねむい いすには
ねむい ねむい ねこ。
ねむい ねむい とだなには
ねむい ねむい おさら。
かっこうどけいも ねむい ねむい。
このままみんな眠ってしまうのかと思いきや、途中でふと、どこからか楽しい調べが聞こえてくる。
その音がだんだん大きくなってくると、みんな眠い中でリズムをとりはじめ、踊り出す。
その様を文章なしで絵だけで表現している。まるでアニメを見ているような気分だ。
楽しい踊りの時間は、音楽が聞こえなくなって終わる。
そして残されたのは、また「ねむい ねむい」の繰り返し。
同じリズムを繰り返すことで、再び、眠りがやってくる。
ゆっくり、ゆっくり、眠りに引き込まれていく……。
そして、最後には、「おやすみなさい」。
アニメーションを見ているかのような
絵の表現が巧みで、眺めているだけで頭の中でアニメーションが再生されるようだ。
文章はシンプルで、「ねむい ねむい」というフレーズを何度も繰り返す。そのリズムと、暗めの絵で、眠りの世界に引き込まれていくよう。
眠る前に読み聞かせてあげたい一冊だ。
幼児、低学年向け。