あらすじ
ヴァンピリーナは、お泊り会を企画することにしました。
そのためには、きちんと準備しなきゃ。
みんなが楽しめるお泊り会、ちゃんとできるかな?
ヴァンピリーナの一家はみんなで、お泊り会の準備をします。
ヴァンピリーナのお泊り会、成功するかしら?
お泊り会って楽しい!
バレリーナとタイトルに入っているのだが、作中でバレリーナ、バレエに触れる箇所がない。
調べてみたところ、どうやらこの「ヴァンピリーナはバレリーナ」はシリーズ名のようである。
今回はお泊り会をテーマにした内容で、バレエはまったく出てこない。バレエをテーマにした『ヴァンピリーナはバレリーナ ドキドキのはつぶたい』が一作目にあたるようだ。
このヴァンピリーナ、アニメ化もされているようである。
話の内容はヴァンピリーナという少女がお泊り会を企画し、友達とお泊り会を楽しむという内容だ。
ヴァンピリーナという名前が示すとおり、彼女の一家はどうもゴスとかヴァンパイアとか、そういった系統の人たち?のようで、お泊り会を開くための準備がとても大変そうだ。
『アダムスファミリー』という映画を思い起こさせる。
絵はヴァンピリーナが生き生きと描かれていて、とても愛らしいのだが、話に起伏があまりなく、正直なところ魅せられる要素が少ない。生き生きとしたキャラクターは絵としては描かれているのだが、ほとんどキャラクターが喋ることがないので、キャラクターの中身が分からず、感情移入しにくい。恐らくヴァンピリーナの家族全員が登場していると思われるのだが、その家族も喋ることはなく、誰かのモノローグで状況を説明していくというスタイルを取っている。その誰かは作者なのだろうか、それも良く分からない。
絵を見て察するに、ヴァンピリーナ一家は世間一般の趣味嗜好とはちょっと変わった方向を向いていて、お泊り会の設定にも結構大変だということと、女の子だけのお泊り会って最高!という内容なのだろうが、終始本文が淡々としていて、正直、中だるみがすごくて飽きてしまい、読みきるのに時間がかかった。
また、お泊り会という習慣に疎いと、この絵本の言わんとしていることにピンと来ない。
本書でのお泊り会は、いわゆる親公認の女子会みたいなもののようである。
呼ばれた女の子たちは、ヴァンピリーナの一家の趣味に興味津々だ。
ヴァンピリーナはヴァンパイアなのかどうかは作中で語られていないので分からないが、趣味がゴス方向に向いているのは確かである。同居人もミイラ男(女?)やモンスターだったりして、通常の一家とはちょっと違うようだが、それに関してお泊り会に呼ばれた子たちは怖がったり驚いたりしていないので、受け入れられているようである。世界観的にヴァンピリーナの一家も普通という設定もありえるが……。
しかし、楽しげにお泊り会に興じる女の子たち、本当に生き生きと描かれていて楽しそうだ。
だが、上述したとおり、話がお泊り会準備から始まって、お泊り会終了までなのだが、その間トラブルらしいトラブルも起きず淡々と進んでいくので、途中で飽きてしまう。
ヴァンピリーナを含めキャラクターは個性的に描かれているので、世界観が好みのかたにはおすすめする。
文章量は普通
文章量は普通で、内容的には低学年向けだろう。女の子向け。バレリーナは女の子の鉄板ネタである(今回はバレエは全然出てこないが……)。
逆に、男の子はあまり興味が湧かないだろう。
お泊り会が好きな子、お泊り会に憧れる子に共感を得そうな内容である。