あらすじ
まわりから、ダサいぬと呼ばれているアルフレッド。
最近ではみんながダサいぬと言って、笑ったり馬鹿にしたりします。
そんなの気にしないでいいやと思っていたけど、やっぱり、どうしたらダサいぬと呼ばれずに済むのかとか、考えてしまいます。
どうすれば、ダサいぬと呼ばれずに済むんだろう……?
そんなある日、お隣に引っ越してきた一家に飼われている犬と知り合いになったダサいぬ。
高い塀ごしに話をするだけでしたが、自己紹介をするときに、お互いの姿が見えないのをいいことに、ダサいぬは自分は「ゴールデンレトリーバー」だと嘘をついてしまいます。
塀越しで意気投合するダサいぬとお隣に住むイヌでしたが、あるとき、隣のイヌが塀の下を掘りはじめたのです。
直接顔を合わせたら、嘘をついていたことがばれてしまう!
ダサいぬは急いで茂みに隠れましたが……。
友達ができて、初めて自分に自信を持てた
タイトルがインパクト大な本書。
主人公は、周りから「ダサいぬ」と呼ばれるイヌである。絵ではかわいいイヌにしか見えないのだが、この世界では、彼はダサいぬらしい。
周りにダサいぬと言われて、笑われるダサいぬこと、アルフレッド。
本人はいつものことだと気にしないふうを装っているが、かなり気にしているのは読んでいて伝わってくる。
見ていてちょっとかわいそうになってくる。
持って生まれた容姿は、ちょっとやそっとではすぐには変えられない。それを笑うのはひどい話である。
そんなある日のこと、隣に引っ越してきた一家が飼っている犬と、高い塀ごしに出会い、意気投合する。
しかし、ダサいぬは、相手に自分の姿が見えないのをいいことに、自分のことを「ゴールデンレトリーバー」だと自己紹介してしまうのである。……彼は本当に根っこのほうから、自分に対して自信をなくしてしまっているのが分かる。なんともいえない切ない気持ちになる。
新しく出来たこの親友に、塀越しで仲良くなっていくダサいぬ。
ついに、塀の向こうの彼は、地面を掘って、ダサいぬと会おうとするのだ。ヤバイ! ゴールデンレトリーバーだと嘘をついてしまったことがバレるし、自分がこんなダサいぬということがバレてしまう!
ダサいぬはあわてて身を隠すのだが、案外簡単に見つけられてしまう。
顔を合わせた二人は……なんと、そっくり!
どうもダサいぬと言われていたのは、ダサいぬがたまたま変な顔をしているわけではなくて、そういう種類のイヌがいる……ようだ?
見ようによっては、ブルドッグらへんに見えなくもない。
友達を得たことで、ダサいぬは自分に自信を取り戻す。
もう ぼくは、だれからも すかれない ダサいぬだなんて
ぜーんぜん おもわない。
友達がいることの心強さや、失いかけていた自尊心の復活を見るようで、心が強くなってくる。
味方が一人でもいることの、心強さたるや、それまでの曇り空に晴天を見るようである。
これに勇気付けられて、他のイヌたちの前でも堂々と振舞えるようになって、本当によかったね。
ダサいぬと呼ばれなくなるようになったら、もっと素敵だと思う。
文章量は普通
文章量は普通で、低学年なら一人読みもできるだろう。
友達の大切さを扱った絵本である。
低学年向け。