き・も・だ・め・し
ほぼ正方形に近い絵本を横使いにし、ページを下から上へめくるという絵本。
肝試しをするという体裁で、ページ見開きに約一体の妖怪が描かれる。
見開きの上のページは折りたたみになっていて、見開きページは広げると三ページ分の大きさになるというしかけつき。
井戸から顔を出す幽霊や、笠を取ると一つ目の小僧が現れたりと、妖怪が大活躍である。
ページの使い方はとても迫力があるのだが、絵柄はリアル調ではなく万人受けしそうな絵柄のため、怖いものに敏感な子以外はさほど怖がらずに読めるだろう。ただ、やっぱり三ページ分の見開きは迫力があるので、怖いのが苦手な小さな子はだめかもしれない。
肝試しというコンセプトのみで構成されているため、ストーリーはほとんどない。
迫力ある妖怪画を楽しむ絵本である。
現れる妖怪も脅かすほうに専念しているため、心休まる展開はない。本当に「きもだめし」である。
全体的に日本の古典妖怪が多く登場し、何だか誇らしい気分になる。
まだまだ日本の妖怪は現役だ。
最後のページに
こんやは
もう おやすみこわくてねむれないかも
しれないけどね……
とあるが、寝る前に読むと、ちょっと怖いかもしれない。
というか、寝る前の一冊にと想定されて書かれた絵本ということにびっくりである……。
文章も極力少ないきもだめしの絵本
文章も極力少なく、妖怪が現れて脅かす、といった展開は最後まで続くので、物語を読みたい場合は不向きである。
幼児向けだろう。
しかし、幼児向けながらも脅かし方はかなりポイントを押さえているので、怖がりの子にはおすすめしない。
読み聞かせ映えはしそうである。