あらすじ
おにぎりが大好きな3匹のオニたち。
ある日、人間の作ったおにぎりを食べてみたのですが、これがもうまずいのなんのって、まずいおにぎりを食べている人間がかわいそうになったオニたちは、うまいおにぎりを食べさせてあげようと考え付きます。
何故、人間たちのおにぎりが不味かったのかというと、腐っていたからなのですが、オニたちはそんなことには気づかず、人間たちに食べさせてやるおにぎりをたくさん作って、人里へ降りていきました。
しかし、オニの姿に驚いた人間たちは逃げていきます。
何故、逃げられるのか、まったく分からないオニ3匹。
考えに考えた末に、彼らが出した結論とは……?
とぼけた展開が面白い、思わず笑ってしまう絵本。
オニはおにぎりが好きだった。とても好きだった。
みなさん しっていますか?
オニは おにぎりが だーいすき。
だから いつだって おにぎりを たべてばかりいます。
……から始まる、へんてこなこの絵本。
オニがおにぎりが大好きだったなんて、今初めて聞いたよ。
しかし、ひょんなことで人間もまたおにぎりを食べていることを知った3匹のオニたち。
人間たちがオニの姿に驚いて落としていったお弁当箱に入ったおにぎりを見つけたから分かったことなのだが、そのお弁当箱にオニたちが気づいたのはずいぶんと長い時間がたってからのこと。
そう、
おにぎりは
腐っている!!!
しかし、オニたちはそんなヤバイおにぎりを食べて、そのまずさに涙を浮かべる。
そして何を思ったか、オニたちはこう思ったのであった。
「ひどすぎる!
いくになんでも にんげんどもが かわいそう!」
「あんまりだ!
いつも あんな おにぎりを たべてるなんて!」
「まってろよ!
いますぐ うまいおにぎり とどけてやるから!」
オニたち、いい奴。
そりゃ腐ったおにぎりを食べればまずいと思うだろうし……というか、おなかのほうは大丈夫?
そういうわけで親切勘違いオニ3匹は、いっぱいおにぎりをこしらえて、にんげんたちに振舞おうと人里に下りると……
みんな、逃げていく。
オニがやってきたと逃げていく。
何故逃げられるのか、さっぱり分からないオニたち。
もしかして、自分たちの後ろにオバケがいたのか?とまで言い出す始末。
もしかして……オニたち、ちょっとどころかかなり間抜けなのでは……。
人間たちのために作ったおにぎり、具材がさまざまでとてもおいしそうだ。
基本的にいい奴らなんだよなあ……ちょっと間抜けなだけで……。
オニたちは「何故人間たちに逃げられたのか?」を考え、ついには、「オイラたちがいきなり行ったから、知らない客だったから驚いたに違いない」という結論にたどり着く。基本的にいい奴らなんだけど……(以下略)。
「いまからいきます」とお知らせすればいいんだ!と思いついたオニたちは、いいことを思いつく。
次の日、彼らはまたおにぎりを作って人里へ。
今度は大声で、行くよ~と言いながら、太鼓を打ち鳴らし山を降りていく。
こいつらおバカだ。
愛すべきおバカなんだ……!
結果は改めて書き記すまでもなく、ひどいもの。
人っ子ひとりいない。
そこでようやく、オニたちは気づくのでありました。
「オニだから怖がられている」のだと。
しかし何故、人間はオニを怖がるのか?またしても三匹のオニは考え始める。
そうしてたどり着いた答えは、「人間にはツノが生えていないから」だった。
基本的にいい奴なんだけどなぁ……やっぱりちょっと間抜けなんだな……。
そこでいい考えがひらめいたオニたちは……。
もう、最後のオチで大笑い。
タイトルの意味がこれでようやく分かる。
なんとオニたちはおにぎりの被り物をして、現れたのであった。
「オニじゃないよ、おにぎりだよ!」と。
オニたち、いい奴なんだけどなあ……。
愛すべきおバカなんだなあ……。
独特のとぼけた雰囲気が魅力的な一冊
マイペースで勘違いの激しいオニたちの姿はかわいらしささえ感じられる。
お話の展開も空とぼけた感じで、読んでいて思わず吹き出しそうに。
幼児から低学年まで、幅広く通じる笑いだろう。
最近疲れて笑えていないおとなにもおすすめしたい一冊だ。
読み聞かせも大いに盛り上がるだろう。