あらすじ
ぼくは、焼き魚が嫌いだ。
食べにくいし、苦いから。
だから、夕食のときに焼き魚が出たとき、ぼくは箸で突付いて食べているふりをした。
お母さんには怒られたけど、焼き魚が嫌いなんだ。
ぼくがお風呂に入っていると、焼き魚が中に入ってきて、恨み言を言った。
それからというもの、焼き魚はぼくにつきまとい……。
焼き魚が嫌いな少年と焼き魚の呪い
いつの時代も、焼き魚が苦手な子はいる。
これは、そんな焼き魚が嫌いな少年に降りかかった呪いのお話である……。
……と、表紙も組め、タイトルも「のろい」と一見ホラーじみて見えるが、中身はそんなにホラーではない。
まあ、焼き魚の頭と骨だけになった魚が、人間ぐらいの大きさになって、ずっと恨み言を言っているのがホラーと分類されるなら、ホラーだ。
そもそもの発端は、少年にあった。
焼き魚が嫌いな少年は、夕食に焼き魚を出されて、箸で突付いてほじくり返し、食べているふりを装ったのだ。食べ物を粗末にすると罰が当たる。当然だ。
風呂に入っていたら、頭と骨だけになった人間サイズほどに大きくなった焼き魚が、
「きらわないでくれ~
ちゃんと たべてくれ~」
……と恨み言を言いながら中に入ってくる。
ホラーな話である。
寝ていたら、布団に入ってくる。
ホラーな話である。
付きまとう焼き魚。
延々と続く、恨み言。
ついに少年はブチギレた。
「もうっ!
ぼくは やきざかなが
だいっきらいなんだ!!」
しかしそれでひるむ悪霊……いや、焼き魚ではない。
どこに行こうとも、焼き魚は、同じ恨み言を繰り返しながらついてくる。
家族やご近所さんには、この人間サイズのでっかい焼き魚が見えていないのだろうか……。
ホラーな話である……。
ついに焼き魚もブチギレる。
「もう!
たべてやるー!」
「食べてくれ~」と恨み言を言っていたのが一転、逆に食べてやるときた。
あわや、少年は丸呑みにされ……たが、頭の骨だけなのでことなきを得る。ホラー……ではない話である。
しかし、キレた焼き魚はどこまでも追いかけてくる。
少年は逃げる。
怖い! 恐ろしい! 食べ物を粗末にした報いだ! 自業自得! 因果応報!
だがそこに希望の光が……!
なんと、野良猫がその焼き魚をぱくっと食べてくれたのだった!
そんなこんなで、少年は焼き魚の呪いから逃れることができ、しかもなぜかその野良猫を飼うことにもなった。
その野良猫は親切なネコで、少年に焼き魚の食べ方を熱心に教えてくれる。
そのおかげで、次第に少年も焼き魚がおいしく食べられるようになり……
こうして、焼き魚の惨劇は幕を閉じたのであった……。
しかし、呪いは滅びない。
少年は焼き魚が好きになってしまった。そう、呪いはいまだ続いているのである……。THE END
勢いのある絵本
まったく怖くない絵本である。
(焼き魚が苦手な子にはホラーかもしれないが)
話に勢いがあり、絵に迫力もある。一気に読めてしまう文章量なので、一人読みも楽しめるだろう。
幼児、低学年向け。