絵本の森

『あくび』──どこかの誰かのあくびが、ぼくまで届く

あくびは、伝播する。

あくびってうつるよね、を表現しきったかのような絵本だ。

はじめに、カバが大きなあくびをする。
もうこの勢いがすごい。大きな大きな大あくびだ。

それを見ていたキリンにあくびがうつって、キリンも大きなあくびをする。

あくびは次々と広がっていって、さまざまな動物があくびして、ついには人間にもあくびがうつる。

SAFARIと車体の横に書かれたバスを運転している運転手さんが、あくびをする。
それを見たお客さんにもあくびがうつる。
お客さんはいろんな人種の人たちが乗っている。
お客さんのあくびを見た工事現場の人にもあくびがうつり──

工事現場の人たちのあくびを見たお父さんにあくびがうつる……

……お父さんはリビングで晩酌をしているようなのだが、どこで工事現場の彼らを見たの?というと……
そう、それはテレビ越し。

そしてあくびはお父さんからお母さんにうつり、最後にぼくにあくびがうつって……。

 

お話はあくびがうつっていく、というだけの内容なのだが、何せ、あくびの描かれ方が大迫力。
顎が外れているのではなかろうかというぐらいの、豪快なあくびがページをめくると大満載。
これぐらい大きなあくび、見ていて気持ちがいい。

読んでいるあなたにもあくびがうつるかも?

 

あくびがうつっていく

あくびが見た人にうつっていくというシンプルな内容なので、あまり物語性がない。
どこかで誰かが大きなうくびをして、それがぼくまでやってくる、というところが面白い。

眠る前の読み聞かせに向いているかもしれないが、本当にシンプルな内容なので、幼児向け。