あらすじ
ガイコツのスコットくんが、ポワロくんから、お誕生日会の招待状を受け取り、お誕生日会に出席することに。
しかし、その招待状には、持ってきて欲しいものとして、三つのなぞなぞが書かれていました。
持っていくものはなんだろう、と考えるスコットくんでしたが、なかなか答えが分からず……。
ガイコツスコットくん、親友のポワロくんのお誕生日会に行く
スコットというガイコツが、友達のポワロくんの誕生日会に行くという話。
ポワロというと、あのちょび髭のベルギー人しか思い出せないのだけど、この絵本では、ポワロくんは最後のほうにちょっとしか出ない。主人公はスコットくんで、ポワロくんの誕生日会に行くまでが主なストーリーとなっている。
このポワロくん、字はあまりじょうずではないと見えて、誕生日会招待状の手書きの文字は間違っていたり誤字脱字が多い。
そのわりには、持ってきて欲しいものをなぞなぞで書いたりして、分かりにくい手紙がさらに一層分かりにくくなっているという状況。
ポワロくん、君、どうして持ってくるものをなぞなぞで書こうなんて思いついたの……?
最初は持参物のなぞなぞを解こうとするスコットくんでしたが、結局正解が分からず、自分でこれを持っていったらポワロくんは喜ぶぞ!と思ったものを持って、ポワロくんの家を目指すことに。ここにコミュニケーションの危機を覚えるも、偶然にも、それらはポワロくんが持ってきてほしいとあげたものだったので、めでたしめでたしで終わる。
なぞなぞで描いた意味がほとんどなくなっているのだけど、これは読み手が、偶然にもポワロくんの持ってきて欲しいものを集めているスコットくんを見て、ほほえましく思うようにしているのかしら……。
誕生日会に向かうまでの道のりは簡単な迷路になっていたり、黒を多用したある町並みを一望できたりと、見た目がとても洗練されている。
ただポワロくんの出したなぞなぞを引用してきて、「どこにあるかな?」と書いてあるのに、ページには正解がないというのは何だか残念な気持ちになる。後半は、そのポワロくんの出したなぞなぞはそっちのけになってしまうし、ちょっと残念なところが多い。
スコットくんが、ポワロくんのためを思って持っていたものが偶然にも正解のものになるのだけど、これはかなり都合のいい展開ではある。
友達を思う姿はほほえましかったし、洗練されたセンスの絵柄は雰囲気があるだけに、その点だけはちょっと残念に思えた。
ところで、誕生日会に誕生日プレゼントを用意して持っていくのは分かるけど、ケーキやとんがり帽子を持参するようにと明文するのって、普通なんだろうか……?
大胆な色使いが目を引く個性的な一冊
登場人物からして、ハロウィンやホラーを思い起こさせる世界観をしている。
黒が多用され、全体的に引き締まった紙面をしているのが特徴。
幼児、低学年向け。