あらすじ
北の国からやってきた、じゃがいも一家。
八百屋さんに並べられます。
ある日、父さんのじゃっくが買われていってしまいました。
「とーさーんさようならー」
「じゃーむすーげんきでなー」
そんな感じで、次から次へと買われていくじゃがいも一家……。
果たして、じゃがいも一家はこのまま、離れ離れで終わってしまうのでしょうか。
じゃがいもはいつ再会の喜びに浸るか
これを読むと、作者の言いたいことがひしひしと伝わってくる。
じゃがいもの一家(親戚も含む)が、八百屋さんから買われていく……訪れる惜別のとき。
じゃがいも一つ一つに名前がついていて、
主人公のじゃがいもは、じゃーむす。
父さんのじゃっく。
母さんのじゃじゃりん。
妹のいもーぬ。
いとこのじゃいそん、じゃがりーぬおばさん。
作者の言いたいことはこれだったのではないかと。
それぞれ買われていき、離れ離れになってしまうじゃがいも一家。
別れの挨拶をしながら、地の文で、「かなしいおはなしです……」と書かれているのが少し笑えてしまう。
そして、最終的にじゃがいも一家は感動の再会を果たす……!
思いも寄らない奇跡が起きた……!
……という、本当にそれだけの絵本である。
本当になんというか……それだけの話なのである。
所感としては、じゃがいもを使う料理っていろいろあるなぁ……という感じだった。
なんと、巻末に「じゃがいもポテトくん」という歌の楽譜が載っている。楽譜が読めないのでどんな曲か分からないのだが、きっと楽しい曲なんだろうなあと想像できる。豪華だ。
それと、話の本筋とは関係ないところで、イカとタコがあれこれいらんことをしているのが謎のノリすぎて面白い。
じゃがいもの感動的な再会を喜ぶか
感動の再会までの展開は、笑ってしまう。
まさか、こんなふうに再会することになろうとは……。
幼児向け。
読み方次第では、読み聞かせ映えするだろう。