絵本の森

『ミミズくんのにっき』──ミミズもいろいろ苦労してるんだなあ

あらすじ

ミミズくんが、日記をつけています。

ミミズは、小さいながらも、地球の一員。
そんな小さなミミズくんの日常生活を覗いてみましょう。

ミミズにもいろいろ苦労があるみたい。
ちょっとクスッと笑える日常が垣間見れます。

 

ミミズくんが日記をつけた

タイトルのとおり、ミミズくんの日記を読む、という体裁の絵本。
ミミズの日常系話が、面白おかしく、ユニークに、ときには感心……はあまりなかったけど、それでもなるほどなあと思わされる話が綴られていた。

ミミズにも、ミミズなりの苦労と悩み事があるのだなあ。
友達のクモとはケンカしちゃうし、無茶な挑戦をしてしまうし。
お弁当を忘れて学校に行って(ミミズにも学校があるらしい)、あんまりおなかがすいてその宿題を食べちゃうし……(ミミズの食べるものは土の中の有機物らしい)
まるで、ティーンエイジャーの日記である。

しかし、よくも悪くも、日記風の体裁を保っているためか、話がぶつ切れで、特にオチも展開もないまま終わる日が多く、笑うほどに面白いかといえばちょっと難しい。

ミミズ視点から見た、擬人化したミミズの日常を垣間見るというところでは面白い。
全体的に、起伏がない印象を受ける。小話を聞いているような感じだろう。面白い話もあれば、首を傾げるものもある。

正直、ミミズというキャラクターが好きな方と、この淡々としたユーモアに波長が合うかたにはおすすめするが、特にそうでないかたは感想に困るかもしれない。
最後のしめに「ミミズ」という生き物は地球の一員だ、ということを日記に書き出すが、これも何だか唐突な印象が拭えない。確かに小さなミミズも地球の一員であることは間違っていないし、本書の冒頭部分と対応しているのは分かるのだが……。

 

海外作品で、日常系コメディ作品で面白いといえば、『グレッグのダメ日記』シリーズだが、こちらは児童書なので対象年齢が上になるので、低学年にはちょっと厳しいかもしれない。

 

ミミズの日常を垣間見る

対象は小学校低学年。
ミミズに興味のある子は楽しんで見るだろう。

上述したように、ミミズくんのつけた日記を読んでいくという体裁なので、特に物語が展開するわけではない。
淡々としたユーモアがある。