絵本の森

『ふしぎなおきゃく』──毎回食べ残していくお客さんの正体とその理由

あらすじ

ラーメン屋の「とんちんけん」は、人気のラーメン屋さん。
しかし、あるとき、ラーメンを一口食べて帰ってしまう客がいた。

ラーメン屋の主人は、最初は気にしていなかったのだが、また同じ客がやってきて、今度は二口食べて残して帰っていく。
ラーメンの味が気に入らないのか? まずいのか?
だんだん気になってきて、主人は悩む。

そして三度目、またあの客がやってきた。
今度は三口ばかり食べて、また残して帰っていく。
味が気に入らないならはっきり言ってくれと業を煮やした主人は、そのお客さんの後をつけるのであった……。

 

ラーメン屋さんに不思議なお客さんがやってくる

ラーメン屋さんに、一口食べては帰り、二口食べては帰りする不思議な客が訪れるという話。

普通に考えたら、味が気に入らないので残したと考えるようなもの。
ラーメン屋の主人もそう考えて、悶々と悩む。

お話を読ませるタイプの絵本で、展開が気になってすらすらと読めてしまう。
文章は多めだが、物語がしっかりあって面白い。

この不思議な客の正体は……
これは読んでのお楽しみということにしておこうと思うが、一口食べて残し、二口食べて残しされたラーメンがどうにももったいないと思ってしまうのは私だけだろうか。

一口食べて残し、二口食べて残しの理由は作中で語られるのだが、何だか分かったような分からないような……?
ラーメン屋の主人、けんさんはそれで納得しているのでいいだろうか……。食べ物の味で勝負しているのだから、いい気分はしないと思うのだが……。
頑固なタイプのラーメン屋主人なら、怒り出しそうな理由だ。

しかし、ラーメン屋も客商売。
味に関わることでそんなことされたら困るのでは……?
客層が被っていないから、問題ないのかな。

 

何だか、この絵本を読んだら、ラーメンが食べたくなった。

 

物語を楽しむ絵本

絵本としては文章がしっかりあり、物語を楽しむタイプの絵本である。
不思議なお客さんが一体誰か? その答えは、ちょっとメルヘンチック。
読み終わったら不思議とラーメンが食べたくなる、そんな絵本。

低学年向け。
話はやや長めなことを留意すれば、読み聞かせも可能だろう。