あらすじ
おばあちゃんの家に初めて泊まりに来たパトリック。
もう寝なさい、とおばあちゃんに言われたが、パトリックはまだ寝たくない。
なので……
パトリックはいろいろ考えて、まず、こう言った。
「ぼくのベッドなんてどこにもないよ」
言われて気づいたおばあちゃん、「あらまっ!」と叫んで……?
おばあちゃんがすごすぎる
おばあちゃんの家に初めて泊まりに行ったパトリック。
もうそろそろ寝なさい、と言われたけど、寝たくないパトリックはあれこれと理由をつけて眠らないという話である。
オチが面白い。途中で展開が読めてしまうが、やはり笑ってしまった。
まず、本書のおばあちゃんがすごすぎる。
斜め上の展開にツッコミが追いつかない。こういう愉快な絵本は大好きだ。
最初にもう寝なさい、といわれたパトリックはこう答える。
「ぼくの ベッドなんて どこにも ないよ」
タイトルの「あらまっ!!!?」を叫んだおばあちゃん、ベッドがないということに今更気づいて、庭に出て木を一本切り倒した。
……え?
木を切り倒す?
え、ちょっと待って?
まさかおばあちゃん……
そう、そのまさかなのであった。
おばあちゃん、ベッドを一本の木から作り出したのである。
無から。一つの。ベッドを。
大体、孫が泊まりに来ることが分かっていて、ベッドがないという状況もどうかと思うが、ベッドがないことに気づいて木材の調達、設計図の作成、切り出し組み立てとこなすおばあちゃん、あなた一体何者だ。職人なのか。
マットレスまで作っちゃうおばあちゃん、あなた一体……。
さあてベッドが出来たから枕をあててもう寝なさい、というと、パトリックはまたもやこう言う。
「まくらなんて どこにも ないよ」
おばあちゃん、どうしたのかって?
お店に行って枕を買いに行った……なんてことはしなくて、鳥小屋に行って、ニワトリの羽根をむしってふかふかの枕を作ったのである。
お、おばあちゃん、そこまで手作りにこだわらなくても……。
なおも、パトリックはあれがない、これがないとおばあちゃんに言う。
おばあちゃんはそのたびに、量販店に走ることはせずに、すべて手作りで何とか調達していくのである。「あらまっ!」と言いながら……。
おばあちゃん、あんた……何者なんだよ……?
すごすぎるぜ……。
おばあちゃんが寝なさいというと、あれがない、これがないと言うパトリック。
絵柄のせいか、とても憎たらしく見える。ええい、枕がないぐらい我慢せんかい。あと、ありがとうと言え、ありがとうと!
おばあちゃんがここまで頑張ってるのだから、パトリックはお愛想でもベッドに横になればよかったのになあ、と思ったのは私だけではないはず。
でも、パトリックとおばあちゃんの掛け合いが見ていて楽しい一冊だった。
しかし、勝ち誇ったかのようなパトリックの顔はやはり……憎たらしい。
おばあちゃんのすごさが笑える絵本
おばあちゃんの現地調達ぶりが笑える一冊。オチは、まあそうなるよねという感じで読めてしまうが、笑える絵本なのは間違いない。
おばあちゃんの家に泊まりに来たパトリックという子が、絵柄のせいか、とてもかわいらしくない。むしろあれこれ注文をつけて憎たらしさを覚えるほどである。
幼児、低学年向け。
読み聞かせでも盛り上がるだろう。