『キラーキャットのホラーな一週間』──引かぬ媚びぬ顧みぬ!猫のある意味ホラーな一週間

あらすじ

月曜日、猫のタフィは小鳥を殺した。
だって、小鳥のやつが追いかけっこしようって誘ってきたからだ。猫なら、小鳥を追いかけて当然だろ。

火曜日、小鳥のお葬式。
庭の花壇で遊んだら、飼い主達が文句をブーブー言ってくる。
花壇が荒らされるのがイヤなら、猫なんか飼うなよって話だ。

水曜日、タフィは死んだネズミを家に持ち込んだ。
飼い主のエリーは、こんなことやめてちょうだいって前足を掴んで離さないので、仕方ないからちょっと反省してまーすって仕草をしてやった。

木曜日、タフィはお隣で飼われていたドタピョン(ウサギ)の死体を家に運んだ。
飼い主一家は大騒ぎさ。エリーは泣くし、他のみんなは困り果ててた。そこで、飼い主たちはドタピョンを……。

 

わが道を行く、悪びれない猫のホラーな?一週間。

 

わが道を行く、開き直る、反省しない猫の一週間

猫は、飼い猫になっても猫のプライドを手放さない。
これはそんな、猫のプライドを捨てずに飼われている気高い猫の物語である。もっと簡単に言えば、超マイペースで自分中心、反省なんか絶対しないという、正直面倒をみる側からすればたまったものではない猫の物語なのである。

月曜日、飼い猫のタフィは同じ家で飼われていた小鳥を捕まえて殺してしまったという衝撃な展開から物語は始まる。
飼い主一家の少女、エリーはとても泣いている。
だが、猫のタフィはなんで泣くのか分からないし、大体、小鳥のほうが捕まえてごらんとでも言いたげだったし、自分は猫なんだから小鳥を捕まえるのは習性だから仕方ないと開き直る。反省の色、見事ゼロ。
死刑にするんならしろよ、とまでいう開き直り具合である。

花壇はめちゃくちゃにするし、花を植えたところは穴だらけにする、タフィ。
家族みんながタフィに腹を立てているのに、当のタフィはどこ吹く風。
そんなのでいちいち文句を言うぐらいなら、猫なんか飼うなよォとまでいう始末。
……このタフィ、猫として気高いというより、単に性格が悪いだけのような気もしてきた。

そんなこんなで、自由気まま、勝手気まま、反省することなど知らずにタフィは自分に正直に生きる。
あらゆるものを自分に都合よく見ながら。
これには呆れるのを通り過ぎて、感心しさえする。
ここまで自分本位で生きられたら、向かうところ敵なしだろう。

ドタピョン(お隣さんが飼っているウサギの名前)騒ぎも、収まるところにうまーく収まったけれど、本人は特に誤解が晴れてよかったなんて思っていないところもいっそせいせいしていていい。
むしろ勝手に勘違いして振り回された挙句、余計な苦労まで背負い込んだ人間の姿のほうが面白おかしく映る。
猫から見れば、人間のやっていることなんてどうだっていいことなのかもしれない。火種を蒔いたのはタフィなのに、タフィ自身がその尻拭いをしてくれている飼い主一家を見て、呆れたり笑ったりしているのだから、世は無情だ。

最後に、タフィ自身は別に何にも思っていないのに、飼い主のエリーが勝手に想像でタフィをヒーローに仕立て上げるところが、飼い主の愛と猫の態度の温度差を見るようでなんとも切ない。

本当に猫ってやつぁ……。
でもそこが猫なんだよなぁ……。

 

タイトルに、ホラーな一週間と書いてあるけど、どのあたりがホラーだったの?
エリーの愛情がまったく響いてないところ?

 

猫の視点から描かれたお話

猫の視点は独特。というより、むしろ、このタフィという猫の視点が特に独特なのかもしれませんが、悪びれない、開き直る、言い訳する等々、自分に自由に生きる様を生き生きと描いています。
文章量からして、中学年向け。

タイトルの「キラーキャット」は、本当にわがままで悪びれなくて反省しない、とんでもない猫ということで、ある意味でキラーキャットですが、「ホラーな一週間」のほうはどのあたりがホラーなのか首をかしげるぐらいにホラーな内容ではありません。
……まあ、キラーキャットが自由気ままに好き勝手をするということを「ホラー」と言っているのかも。

主人公の猫のタフィは、本当に悪びれず反省もしないし、開き直る(そもそも悪いことをしたという意識がとても薄い)ので、読んでいてそのキャラのアクの強さにびっくりするかもしれません。
コメディの中でも、ややブラックコメディ寄りのような気がします。