あらすじ
ものぐさなじゃがさんとさつまさん。
おなかがすいたのですが、ご飯を作るのが面倒。
そこで、出前を取ることに。
ラーメン、カレーライス、天丼、寿司……。
ピンポーン。
早速出前がきたようです。
じゃがさんとさつまさんが迎えたところ、なんとやってきたのは空のお皿と空のどんぶり。
あれ?
出前は……?
ご飯を作るのが面倒なので出前を頼んだところ……
「ふしぎ」ってもんじゃないんですけど、この出前。
ものぐさなじゃがさんとさつまさんは、おなかがすいたので、出前をとることに。
もちろん、その理由は「なんか作るのがめんどくさいから」に決まっている。
だいたいのところ、出前を取る理由のトップ3ぐらいには、「作るのが面倒くさいから」がランクインしているのではなかろうか。
じゃがさんとさつまさんは、「作るのが面倒だから」という理由で、ラーメンとカレーライスの出前をとった。
やってきたのは……空のお皿と空のどんぶり!
「おじゃましまーす。らいらいけんです。
きょうはごちそうして くださるそうで。
わたしは カレーライスが たべたいです。」
「ぼくには ラーメンを ください。」
え?
いや、うん、待って?
なんで注文した側がごちそうすることになってるの????
ちょっと意味が分からないんですけど????
どうも へんな はなしですが、じゃがさんと さつまさんは、
とりあえず いわれた ものを つくる ことに しました。
いやおかしいよ!!!???
変な話ですが、レベルじゃないよこれ!
なんでそこで素直に作ってるの二人とも!?
そして出来上がったラーメンとカレーライス。
空の皿とどんぶりが食べはじめると……
「う~こりゃあ まずい。つくりなおして ください。」
まさかのダメだし……!
どっちが客なのか分からない……!
それを受けて、今度こそはと一生懸命に作るじゃがさんとさつまさん。
一生懸命作るんだ……!?
注文したの自分たちなのに作るんだ……!?
作るのが面倒だから出前をとったのに、二度も料理してる時点で、自分たちが食べればよかったんじゃなかったんじゃないのか……!?
二度目の料理の結果:
「おっ、こりゃあ うまい。
とっても おいしく なりましたよ。がんばりましたね。」
なんで上から目線だよ。
しかし、二人の努力が実を結び、お望みのカレーライスとラーメンにありつくことができた。
喜ぶ二人。そしてしみじみ二人は言うのであった……。
「でまえって たいへんなんだね。」
いや、今回は特殊だと思うよ……。
オチも秀逸。
読み手はじゃがさんとさつまさんのような顔になるに違いない。
面白い展開に読み手は笑うしかない
ものぐさな主人公二人が、出前をとったことで始まる、不思議な物語。
こんな出前、いやである。
出前をとった理由と、本来の出前の役割を知った上で読むと、この絵本の面白さが分かるだろう。
小学校低学年向け。