あらすじ
ホッキー一家のおもしろおかしいエピソードをひとつひとつ綴った絵本。
一冊を通して一つの話があるわけではなく、ショートショートを詰め合わせた感じである。
「笑い」をメインにした絵本で、独特なギャグセンスをしている。
面白さの感じ方は人それぞれなのでどうともいえないが、「間」の面白さが強みのように思える。
シュールでハイテンション、ちょっと皮肉のきいた海外のギャグセンスに溢れた一冊である。
笑いたいときに。
ハイテンションで駆け抜けていく絵本
なんという、ノリノリでハイテンションで、へんてこな絵本だろう。
もう、どこもかしこもおかしいし、おかしい。
ショートショートを絵本で見ることになるとは思わなかった。
シュールで、それでいてそれでいておもしろい。
ノリが海外カートゥーンのノリだ。
本を開くと、最初から最後まで、ハイテンションでぶっ通す。
失速しないし、多少意味がわからない展開やオチになっても強引に終わる。それがまた豪快で面白い。
この本はタイトルのとおり、ホッキー一家のお話なのだが、最初のページの人物紹介からしてエンジン全開である。
おとうさんです!
おかあさんです!
あかちゃんです!
ヘンリーです!
ホリーです!
ニュートンです!
……赤ちゃんの名前を省略するとは思わなかった。
ちなみに、ニュートンは犬の名前である。
とにかくこのハイテンションぷりと、疾走感は一度読んでもらわないと分からないだろう。
独特なノリ、シュールさ、ツボに嵌ると妙なくせがあってやめられない。
上述したとおり、ショートショートが何本か収録されており、一ページが四コマでいう一コマみたいな扱いになっている。
全編通して、笑いしかない。
楽しいホッキー一家の四コマを読んでいると思えばいいと思う。
なにせ、異様なハイテンションのノリが謎すぎて、中身を詳細に紹介するのが難しい。
ギャグマンガを紹介しにくいのと同じである。
たとえば、「ホリーのおふね」という話があるのだが、ホリーの持っているおもちゃの船がなかなか水に浮かばず、ホリーは船を叱咤激励する。
そして、ようやく、船は水に浮く。
できた。
できた!
感動の一場面である。
そして船は、ぷかぷかと流れて行った。
・・・・・。
・・・・・。
ホリーは新しい船を買ってもらうことにした。
完
終始、このノリである。
もはや意味を考える意味などない。テンション爆アゲで疾走していく。
いやあ、こういう本は、本当に好きだ。
頭を空にして(褒めている)、ハハハ、と笑って読める本だと思う。
最近、笑いの少ない人はちょっとどうだろうか。
ただ、ギャグにかなりクセがあるので、笑いのツボに合わないと、首をかしげて終わってしまうかもしれない。
この作者、本当にノリノリで、裏表紙見返し部分にも、テンションの高い著者紹介が載っている。
いやあ、面白いね、ハハハ。
ハハハ。
個性の光る絵本
独特のノリと、間の面白さ、おかしさを表現した絵本。
この「間」のおかしさを理解できるのは何歳ぐらいなのだろうか……。ちょっと見当がつかないが、一応、低学年からが対象かなとしておく。
私は大好きだが、このノリは人を選ぶので、面白いと思った人にはおすすめするが、ノリが合わない人にはおすすめしない。
読み聞かせはちょっと難しそうだ。
一人で読んで、ハハハ、と笑うための本だろう。