絵本の森

『はしれ!やきにくん』──焼き肉好きのための絵本

あらすじ

焼き肉屋さんの店長さんは困っていました。

本日入荷のお肉たちに元気がないからです。

困ってばかりはいられないと、店長さんは肉たちに向かって言いました。

運動をして元気になるんだ、と。

そして、お肉たちは元気になるために、運動を始めるのでした……!

 

いきおいのある世界観と展開で焼き肉好きの心をつかむ

この世界観、何ともいえない。
でも、嫌いじゃない……。

主人公は焼き肉で食べられる肉。タイトルの「やきにくん」、どうやらカルビだそうで……。

ここで軽く斬新なのだが、入荷した肉に元気がなくて困っている焼き肉屋さんが登場する。

 

ちょっと待って?
入荷した肉に元気がないってどういうことなの……
というか、どういう状態?

 

焼き肉屋の店長が、いつまでも困ってばかりもいられないと、元気のない肉たちの解決策として、言い放ったのは……

「よーし! みんな おきて うんどうだ!」

意味が分からないよ!!!!!

想定できない店長のかけ声に、肉たちは懸命に運動を始める。
頑張れ、走れ、やきにくん!

肉が運動を始めるこの世界観。
ほかに追随を許さない。

そして! ついに、お肉たちは元気になったのだ!

ははーん、わかったぞ。
作者は焼き肉好きで、読み手も焼き肉好きに違いない。(名推理)

そしてお話はここで終わらないのだった……!

 

焼き肉好きで野菜嫌いのたろうくんが来店。
たろうくんは野菜を全然食べず、肉ばかり食べる。野菜たちは食べてもらいたいけど、なかなか食べてもらえない……

そこで、やきにくんは立ち上がるのだった!

「ぼくたちと いっしょに いこう!」

かくして、やきにくんと一緒にたろうくんに食べてもらった野菜たち。
たろうくんの言葉が、やきにくんたちの心をうれしくさせる。

「おにくと いっしょに たべると やさいも おいしいね」

やったぜ、やきにくん!!

 

 

でも、たろうくんに食べられたはずなのに、なんでやきにくんはたろうくんのおなかの中にいないの……?

 

勢いのある絵本

焼き肉をテーマにしたこの絵本。
主人公に「肉」を据えることで、何ともいえない世界観が広がっています。
ツッコミどころが満載で、笑いのツボがあえばおもしろい絵本となるでしょう。あと、焼き肉好きな子にも。

低学年から、幼児向け。
勢いはあるけど、話の内容はあんまりないです……。焼き肉が好きな子向けです。