あらすじ
お寿司の大好きなすしお君は、お寿司屋さんになりたくて、修行の旅に出ることにしました。
春夏秋冬、各お店でいろんなお寿司を握る親方と出会い、すしお君は次々と寿司をマスターしていくのであった……!
「だじゃれずし」から始まって、「あいうえおすし」、「かいぶんずし」、「ならびかえずし」……果ては、「早口ことばのデザート」まで!
言葉遊びが満載の、楽しい絵本。
言葉遊びでお寿司!
言葉遊びが楽しい一冊。
おすし屋さんを目指す、すしおくんがさまざまなお寿司の師匠に弟子入りするという話。
お寿司が大好きすしお君。
安易すぎて好きすぎる。
春に弟子入りしたのは、「だじゃれすし」の寿司屋さん。
「めばるがいばる」
「まだいまだいた」
「まがれい、右」
……など、繰り出すだじゃれ寿司! おやじ芸……職人技である。
一生懸命練習して、すしお君はだじゃれ寿司をマスター!
親方は、すしお君にのれんを分けてくれた。
そして夏に弟子入りしたのは、「あいうえおすし」。
……ん?
あれ……?
すしお君、春の弟子入りで親方にのれん分けてもらってたよね?
それって、「だじゃれずし」という名前で新たにお店を出すってことじゃないの……??
暖簾を分ける
商家で、長年よく勤めた店員などに新たに店を出させ、同じ屋号を名乗らせる。そのとき、資金援助をしたり、得意先を分けたりする。
──デジタル大辞泉の解説
それなのにまた違う師匠のところに弟子入りして、新しい寿司をマスターするの?
う、うん、まあ、一シーズンでマスターしたという設定自体すごいから、細かいことはいいよね……。
さてこの「あいうえおすし」。
「とびばこが
びっくりばこで
うらしまたろうも
おどろいた」
……というように、言葉の頭をとると魚の名前になっているというもの。
すしお君、またもや一シーズンで「あいうえおすし」マスター! すげーや! またのれん分けてもらっちゃったぜ!
さて秋にやってきたのは、「かいぶんずし」。
ロボット師匠が寿司を握っている。
すしお君はかいぶんずしをマスター。
しかしいきなり、何の脈絡もなく、ロボット師匠が「早口ことばりょうり」対決を仕掛けてきた!
もう回文関係なくなっちゃったよこれ!?
そして冬には、「ならびかえずし」に挑戦することに。
「いいとりだよ」→「いとよりだい」
「にらがたば」→「たらばがに」
結構難しいが大丈夫なのか、すしお君……!
すしお君、またもや一シーズンで(以下略)。
またのれんを(以下略)。
そして最後に訪れたのは、「しりとりずし」。
お寿司をしりとりで並べていくといった職人芸だ!
なぜか、いきなり親方が「しりとりずし」勝負を仕掛けてきた!
もうなんの脈絡も(以下略)。
「しりとりずし」で勝利をおさめたすしお君。だが、勝負はそこで終わっていなかった……!
なんと、デザートは早口ことばで勝負だという流れに。
もうなんの脈略も……うん、もういいか!
そうして、様々な寿司をマスターしたすしお君。
ついに、店をオープン!
その名も……「あそびますし」!
読み聞かせは難しいが
本書は言葉遊び満載の楽しい絵本である。
それにくわえ、魚の名前もたくさん登場する。
早口言葉や、回文、並び替えなど、読んでいて思わず試したくなる。
紙面のあちこちに言葉遊びがちりばめられていて、読んでいるだけで楽しい。
物語は一応あるが、かなり無理があるので、言葉遊びを純粋に楽しむほうに目を向けよう。
一緒に読んで盛り上がる本である。
小学校低学年向け。